三重県議会 定数減に「反対」相次ぐ 意見公募の結果報告

【パブリックコメントの結果について報告を受ける全員協議会=県議会議事堂で】

日沖正信三重県議会議長は20日の全員協議会で、議員定数と選挙区の正副議長案に対するパブリックコメント(意見公募)の結果を報告した。定数削減や合区の対象となる選挙区の県民や議員から反対意見が相次いだが、日沖議長は正副議長案を修正する考えはないと説明。条例化の判断を代表者会議に委ねる方針を示した。

県議会によると、パブリックコメントは先月26日から今月8日まで実施。237人が意見を提出した。うち約6割の141人は伊賀市在住者。ほとんどが同市選挙区の定数減に反対した。

また、正副議長案が伊勢市選挙区との合区を提案している鳥羽市選挙区について「志摩市選挙区と合区すべき」との意見が相次いだほか、東紀州の2選挙区を合区することにも反対の声が上がった。

この日の全協で、稲森稔尚議員(草の根運動いが、2期、伊賀市)は伊賀市選挙区の定数減に「市民の切り捨てだ」と反発したが、日沖議長は「伊賀市の定数を引き上げる特別な事情はない」と退けた。

鳥羽市選挙区については舘直人議員(草莽、5期、三重郡)が「志摩市選挙区と合区すべき」と主張する一方で、野村保夫議員(自民党、2期、鳥羽市)は伊勢市選挙区との合区に賛成の意を示した。

東紀州の合区を巡っても「合区すべきではない」と主張する谷川孝栄議員(草莽、3期、熊野市・南牟婁郡)と「致し方ない」と述べる藤根正典議員(新政みえ、3期、同)で賛否が分かれた。

日沖議長は議員から意見を聞き取りつつ「修正を始めればまとめようがない。どう進めるのかは代表者会議に諮りたい」と説明。服部富男副議長も「なんとか正副議長案を条例化させたい」と述べた。

一方、今井智広議員(公明党、4期、津市)は次期県議選に向けた周知期間を考りょしても1年の余裕があると強調した上で「代表者会議には丁寧な議論をしてほしい」と、条例化を急ぐ会派をけん制した。

正副議長案は定数と選挙区の見直しに向けた「たたき台」として、有識者でつくる調査会の報告書などを基に作成。議会内では、正副議長が任期を満了する5月18日までの条例化を目指す動きがある。


■県民周知不足を訴える声 撤回への批判も■

県議会が実施したパブリックコメント(意見公募)には正副議長案への賛否にとどまらず、県民への周知不足などを訴える声が相次いだ。一度は決めた定数45を撤回したことへの厳しい批判もあった。

2週間にとどまったパブリックコメントの実施期間について、県民からは「これだけの重要案件が、なぜ2週間なのか」「広く県民に知られていない」などとして募集期間の延長を求める声が上がった。

また、平成26年の条例改正で定数を6減の45に削減しつつ、一度も選挙をしないまま51に戻したことにも「あってはならない」「どんな理由があろうとも理解できない」などと批判が相次いだ。

「なぜ今なのか。コロナ禍で大変な状況を一番に考えてほしい」との意見も。日沖正信議長は「現行の定数と選挙区では一票の格差が最大で3・28倍となり、次の選挙までに見直す必要がある」と説明した。

また、正副議長案が伊賀市選挙区の定数減を定めたことについて「一票の格差是正というより、一部の議員や会派の思惑が入っていることがSNS(会員制交流サイト)でも明らか」とする記述もあった。

この日の全協で、議員から「特定の会派から働きかけがあったのか」と問われた日沖議長は「そういったことはない」と否定。県議会事務局はSNSの記述について「事実関係の確認を進める」としている。