津の養豚場で豚熱 1万頭、殺処分に着手 陸自に支援要請 三重

【記者会見で、豚熱の発生を発表する鈴木知事=三重県庁で】

三重県は14日、津市内の養豚場で豚熱(CSF)の感染を確認し、この養豚場での殺処分に着手した。飼育する約1万頭を全て殺処分する方針。県内の養豚場で豚熱が発生するのは昨年12月以来となる。

県によると、この養豚場から13日朝、県に「8頭の豚が死んでいる」との連絡があった。うち4頭に県が実施した検査は陽性で、生きている豚の一部でも陽性を確認。国の検査で14日夕に感染が確定した。

殺処分は少なくとも10日間を要する見通し。周辺の養豚場は既にワクチンを接種しているため、移動や搬出の制限はない。県は14日夜の対策本部会議で陸上自衛隊第33普通科連隊に支援を要請した。

この養豚場で陽性となった豚は全て生後40―70日までの離乳豚で、ワクチンの接種を間近に控えていた。養豚場では3月26日ごろから、子豚が死んでいるのが相次いで確認されていたという。

県は小動物などを介した野生イノシシ由来の感染とみている。県が津市内で野生イノシシの調査捕獲を始めた昨年以降、この養豚場から半径10キロの範囲で感染が確認されたイノシシは31頭に上る。

鈴木英敬知事は対策本部会議に先立つ緊急の記者会見で「さまざまな対策をしてきたが、防ぎきれなかったところがある。必要な対策に全力を挙げて取り組む」とし、養豚農家に対策の徹底を呼び掛けた。

ワクチン接種済みの豚も含めて養豚場内の全頭を殺処分することには「殺処分の膨大さや経営の打撃を考えると歯がゆい。残念ながら(全頭殺処分の)法令は変わらず、改めて国に要望したい」と述べた。