鳥羽市長に中村氏 一騎打ち制し再選 鳥羽市長選・三重

万歳三唱し当選を喜ぶ中村氏(左から2人目)=鳥羽市の選挙事務所で

【鳥羽】任期満了(20日)に伴う鳥羽市長選は11日、投開票された。平成17年以来16年ぶりの選挙戦は、現職中村欣一郎氏(62)=安楽島町、自民党推薦=が、新人の元市議小久保純一氏(63)=鳥羽五丁目=との一騎打ちを制し、二選を果たした。

午後9時20分過ぎ、同市船津町の選挙事務所に中村氏当選の報が伝わると、集まった支援者からは歓声が巻き起こった。中村氏は支援者らに感謝を伝えると、「まずはコロナ対策。ワクチン接種を含め観光産業を守っていきたい。海のシリコンバレーやコンパクトプラスネットワークなどを種に、世界中に発信できる地域を作りたい」と決意を語った。

前回市長選を無投票で初当選した中村氏にとっては初の選挙戦。中村氏は一期目のハード事業を活用した「海のシリコンバレー構想」や、都市機能を集約させる「コンパクトプラスネットワーク」の実現を強調し、民間手法を取り入れた行政改革を訴える小久保氏との接戦を制した。

当日の有権者数は1万5456人(男7164人、女8292人)。投票率は63・72%で平成17年の前回市長選から19・57ポイント減となった。

■コロナ禍、具体策問われる■

1期目4年間の信任を問う位置付けとなった選挙戦は、現職が新人を退ける結果となった。しかし、1期目の実績が直接評価に結びついた結果と見るにはやや疑問も残る。

中村氏は、市民体育館サブアリーナや消防本部新庁舎建設、水産研究所移転などを1期目の主な実績として紹介。これらハード事業を生かした「海のシリコンバレー構想」や、「コンパクトプラスネットワーク」の実現を2期目の公約として広く支援を呼び掛けた。

小久保氏は、学校法人など民間での経験や人脈を強調し、民間手法を用いた行財政改革や市長給与の削減などを強調。「行政の劣化」と中村市政を強く批判しながら反中村層の取り込みを図ったが、認知度の低さなどもあり、一歩及ばなかった。

観光や水産を基幹産業とする鳥羽市にとって、コロナ禍への対応は喫緊の課題だ。一方で、これに対する具体的な公約が両候補共にほとんど示されていなかったことには不安を感じる。

市民の多くは中村氏の人柄を評価する一方、政治家としての実績については「あまり表に出てこない」と口をそろえる。2期目で「きれいな花を咲かせた」と言えるかどうか、ある意味本当のスタート地点に立ったのではないか。