津で三重郷土会総会 元編集委員が講演 県史編さん活動振り返る 三重

【県史編さん事業を振り返る吉村氏(奥右)=津市大門の市中央公民館で】

【津】昭和59年から令和2年まで続いた県史編さん事業を振り返る講演が27日、三重県津市大門の市中央公民館であり、元県史編集委員の吉村利男氏(73)=同市白山町=が準備段階から37年にわたる活動を紹介した。

吉村氏は「県史は昭和39年に全1冊で作られて以降なかったため、当時の田川亮三知事や県議会の要望があり準備を進めた」と編さんのきっかけに触れ、36年間で全29巻36冊を刊行した経緯を話した。

編さんに伴い県内各地で特別調査をした銅鐸、古墳、県内最大の仏像などを写真を交えて紹介。大庄屋の屋根裏の文書の調査などで「箱に入った資料はまとめて入っていることに意味があるので箱ごとに番号を付け現状を壊さないよう大切に調べた」と当時を振り返り「県史の編さんを通じて資料調査の方法論を確立した」と述べた。

調査により多くの資料が収集できた一方で現状では原則閲覧ができず「じゅうぶんに生かされていないとの声がある」と指摘。「若い研究者が育つために集めた資料の積極的な公開が必要」と課題を挙げた。

同講演は郷土の歴史や民俗を研究する三重郷土会(西川洋会長、会員約200人)の総会に合わせて開き約70人が参加。講演後には藤堂藩藩主の墓碑群がある寺院など旧津城下を見学した。

最近入会した深見和正さん(60)=同市半田=は「一流の先生の話が聞けて現地研修もあり最高です」と感想を話した。