三重県内公示地価 29年連続の下落 上昇地点なし

【住宅地の価格が8年連続で県内トップの津市大谷町】

国土交通省は23日、令和3年の公示地価を発表した。三重県内の平均変動率は住宅地がマイナス1・1%、商業地がマイナス1・2%で、いずれも29年連続の下落。新型コロナウイルスの影響で県北中部の回復傾向が停止し、住宅地と商業地のいずれも上昇した地点はなかった。

公示地価は国交省が定める標準地について、1月1日現在の価格を公示する制度。公共用地の取得など、土地取引の目安となる。県内では37人の不動産鑑定士が25市町の432地点を調査した。

■住宅地
一平方メートル当たりの平均価格は3万8千円。下落率は0・4ポイント拡大した。前年と比較可能な291地点のうち、上昇した地点はなかった。244地点で下落し、47地点で横ばいだった。

これまで高い需要を維持してきた県北部の高台や駅に近い住宅地でも上昇傾向が停止。自動車産業が宅地需要を支えてきた鈴鹿市では、先行き不透明感の高まりによって横ばいから下落に転じた。

また、県南部は津波の懸念から依然として需要が低迷。下落率のトップは紀北町のマイナス3・1%だったほか、尾鷲市(マイナス2・8%)や鳥羽市(マイナス2・7%)での下落が目立った。

一平方メートル当たりの最高価格は8年連続で津市大谷町となったが、平成27年から続いた上昇がストップし、11万3千円で横ばいに。下落率のトップは2年連続で志摩市志摩町でマイナス3・6%だった。

■商業地
平均価格は6万9千円。3年連続で縮小していた下落率は0・8ポイント拡大した。前年は38地点で上昇していたが、今年の上昇地点はなし。前年は15地点あった横ばいも、5地点にとどまった。

最高価格は35年連続で四日市市諏訪栄町だが、一平方メートル当たりの価格は前年と同じ40万円。新型コロナの影響により、堅調だった駅周辺の店舗やマンションへの投資機運が低下している。

下落率が最も大きかったのは尾鷲市野地町でマイナス3・5%。県南部は高齢化や過疎化に加え、景気後退が需要の低迷に拍車を掛けた。近年は上昇傾向が続いていた伊勢神宮周辺も横ばいとなった。

調査に当たった片岡浩司不動産鑑定士は住宅地について「これまでの緩やかな回復傾向は新型コロナの影響で後退したが、北中部の市街地は様子見的な動きで大きな下落には至っていない」と話している。