
【度会郡】平和のシンボルとして愛媛県出身の故高岡正明さんが開発した「陽光桜」。どんな気候でも花を咲かせる新種の桜が誕生するまでの道のりをつづった絵本「桜物語」の原画展がこのほど、三重県玉城町原の「摘み草かふぇ 陽光桜のかぜ」で始まった。31日まで。水曜日定休。
同かふぇオーナーで草木染作家の高野葉さんは、高岡さんの息子の照海さんと出会い、元教員の高岡さんが戦地で命を落とした教え子への思いを込めて桜を開発した経緯を知って感動し、陽光桜を使った草木染作品を制作している。
桜物語は約21年前に出版され、作者は児童文学作家の大西伝一郎さん、挿絵は四日市市の画家たちようこさんが担当。高野さんは照海さんの自宅に残っていた絵本を活用して朗読会を開き、高岡さんの思いを伝える活動も行っている。
同展はたちさんが協力し、絵本の原画17枚の中から大事な場面など11枚を選んで展示。戦争のむなしさや命の尊さを桜の木に託した高岡さんの物語を、優しい色合いの銅版画で表現している。
高野さんは「桜の背景にある世界平和や命を大切にするというメッセージを感じてほしい」と話した。