三重県議会常任委 県債管理基金の積み立て 「都道府県に裁量」求める

【新型コロナの影響について県教委から報告を受ける教育警察常任委=三重県議会議事堂で】

三重県議会は16日、総務地域連携、環境生活農林水産、教育警察の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。県は総務地域連携常任委で、借金の将来的な返済に充てる県債管理基金への積み立てについて、総務省に「ルールの変更」を求める考えを示した。現状は国の指導に基づいて年度ごとの積立額を定めているが、今後は都道府県の裁量に委ねるよう求めたい考え。一方、県は5年連続で基金への計上を見送り、積み立ては計画通りに進んでいない。「ルールの変更」は「積み立て不足」への批判をかわす狙いもあるとみられる。

 〈総務地域連携=野村保夫委員長(9人)〉

県債管理基金への積み立て不足は149億円に上っている。委員からは、財政難を理由にした積み立ての見送りを「付け焼き刃的な運営だ」とし、長期的な観点から財政を運営するよう求める声が上がった。

【財政】
中嶋年規委員(自民党県議団、5期、志摩市)は県債管理基金について「体の良い財布になっているのでは。積み立ての先送りが恒常化し、付け焼き刃的な運営だと危惧している」と述べ、長期的な視野で財政を運営するよう求めた。

紀平勉総務部長は「積み立てを見送っても直ちに返済は滞らず、それに甘んじて基金を調整弁にしている面がある。今後は必ず積み立てる」と説明したが、中嶋委員は「具体的な見通しを示さないと、県民に説明責任を果たしたとは言えない」と反発した。

【女性活躍】
総務部は女性県職員の活躍推進に向けた後期行動計画の案を示した。管理職に占める女性の登用率を、現状より5ポイント高い16・0%とすることを目標に掲げた。「女性の人材育成や男性の家庭参画を進める」としている。

前期計画のうち、管理職の女性登用率と男性の育児休業取得率は目標を達成した。一方、本庁知事部局の管理職登用率は13・3%にとどまり、目標の30%には及ばず。教職員や警察官を含む管理職の登用率も9・4%と、全国平均(11・1%)を下回った。

 

 〈教育警察=濱井初男委員長(8人)〉

県教委は新型コロナウイルスの感染拡大で、県立高校全日制54校のうち35校が本年度に予定していた修学旅行を来年度に延期し、1校が中止したと報告した。

【修学旅行】
県教委によると、県立高校全日制で本年度に修学旅行を実施したのは17校で3分の1以下にとどまった。公立小中学校499校のうち487校が実施したのに比べて、延期が顕著だった。

石田成生委員(自民党県議団、3期、四日市市)は中止した高校について「なんとか工夫して行けないだろうか」と質問。県教委の担当者は「代替の計画をしていたが、2年度に延期するのは難しくなった。宿泊が難しくても日帰りの研修旅行はできないか働き掛けている」と説明した。

【鈴鹿青少年センター】
県教委は、民間事業者に施設の改修や運営を委ねる「PFI―RO方式」を導入する集団宿泊研修施設「鈴鹿青少年センター」について、県が要求する施設整備やサービスの最低水準の案を示した。事業者と意見交換し、入札公告を予定している7月に公表する。

県が示した案では宿泊ニーズや過去の利用実績を踏まえて、宿泊定員を現在の368人から「280人以上」に設定。これまでは二段ベッドで8人以上が宿泊する部屋しかなかったため、企業研修や家族旅行で使いやすいよう3階の部屋を少人数化する。

 

 〈環境生活農林水産=中瀬古初美委員長(8人)〉

県が伊勢茶の生産者の育成や消費拡大を目指して策定する「県茶業振興指針」について、委員らが「指針ではなく計画にしてはどうか」と提案。県当局は「指針か計画かで検討する」と答弁した。

【伊勢茶】
県は平成22年度に策定した指針を見直し、令和12年度を目標年度に設定した新たな指針を策定すると報告。学識経験者や生産者、茶商工業者などでつくる懇話会の意見を踏まえ、6月までに中間案を作成する。

稲森稔尚委員(草の根運動いが、2期、伊賀市)は「東海3県や近隣県も計画を策定しているのに、なぜ三重県は指針なのか。計画にしてはどうか」と提案。県当局は「22年度に作ったときは指針だった。指針にするか計画にするかを検討する」と説明した。

【林業】
県は令和4年度に林業関係団体が新たな一般社団法人を設立すると報告。県が平成31年度に既就業者向けに開講した「みえ森林・林業アカデミー」などと連携し、新規就業者の確保やアカデミー修了生の支援に取り組む。

県によると、これまで新たに林業に就業する人の獲得は県農林水産支援センターが農水産業と一緒に実施。就業希望者から既就業者まで一貫した林業人材の育成が課題となっていた。一般社団法人が林業に特化した形で新規就業者の獲得に乗り出す。