2021年3月17日(水)

▼津市議会の百条委員会で、特定自治会の町内の修繕工事について検査担当参事が意図的に分割発注していたことを認めた。弁護士で構成する市の調査チームは12日に「(職員の)意図的な分割発注はなかった」と結論づけていた

▼修繕工事は自治会の要望を受けた公園トイレの内壁と外壁、近くの柵の3件の塗装。平成29年の5月と9月、10月の契約で、金額は49万3500―同9500円。いずれも議会承認の必要がない50万円以下で、報告書によると、3件とも「小規模塗装を受託する業者が少ない」理由で近隣業者に発注

▼内容、時期が異なり、自治会長や業者からの圧力はもちろん、意図的な分割発注の「事実は確認できなかった」と報告している。が、9月発注工事の完成検査の写真に10月発注分が完成して写っていた。担当参事は同時作業だったことを認め、なお「結果的に分割発注になった」と主張したが、意図的の疑いを追及され「ご指摘の通り」

▼報告書はまた、柵工事が当初は新設要望だったとして、職員が現地確認した結果「新設までは必要ないと判断し塗装に決めた」という。3件の塗装が同一業者なのはその結果であり、意図的な分割発注ではないことを印象づけているが、話そのものも疑わしくなってくる

▼議会でも報告書を疑う声はあるらしい。3千件超の少額修繕だから職員が近隣業者に随契するのは「一定理解」と、報告書はやさしい。「疑念を持たれても致し方ない」などと歯切れも悪い調査報告だ。市の法律顧問弁護士としては、精いっぱいの調査だったのかもしれない。