津の林性寺 国内に3幅 猫も登場、涅槃図を開帳 三重

【コロナ対策で外陣からの参拝となった涅槃図=津市榊原町の林性寺で】

【津】三重県津市榊原町の林性寺(小泉晶嗣住職)で14日、釈迦(しゃか)の入滅を描いた室町時代の「涅槃(ねはん)像曼荼羅(まんだら)図」(涅槃図)のご開帳が始まった。毎年陰暦で釈迦の命日に当たる3月15日の前後3日間に開帳する市の有形文化財で一般的な仏画には登場することのない猫が描かれている。16日午前10時半まで。

同寺の涅槃図は絹本着色で画面は縦約2・6メートル、横2・5メートル。「兆殿司」と呼ばれた室町時代の画僧吉山明兆の筆による。横たわる釈迦の周囲で弟子や鳥獣が嘆く様子を描いており画面の下部に白に灰色模様の猫の姿がある。

小泉住職(48)によると作者が苦心していた釈迦の口紅の色を傍らの猫がくわえて持ってきたことからお礼に姿を描いたとの言い伝えがあり、室町時代の涅槃図で猫が描かれたものは日本に3幅しかないという。

コロナ禍の今年は例年より時間を短縮し涅槃図を本堂内の外陣から参拝する形に変更。初日は近隣の人らを中心に参拝客があった。

妻と訪れた亀山市川合町の樋口泰光さん(71)は「ここに涅槃図があると知らなかった。弟子の表情が豊かな傑作」と感想を述べた。