受領証で配偶者と同等に 三重県がLGBTパートナー制度の要綱案

【パートナーシップ制度の要綱案について説明を受ける環境生活農林水産常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は12日、総務地域連携、環境生活農林水産、教育警察の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。県は環境生活農林水産常任委で、性的少数者(LGBT)のカップルを公的に認める「パートナーシップ制度」の要綱案を示した。療養看護や財産管理などの委任関係を記した公正証書の受領証を、LGBTのカップルに交付すると明記。都道府県では初の取り組みで、9月1日からの適用を目指す。

性的指向暴露禁止「可決すべき」
〈環境生活農林水産=中瀬古初美委員長(8人)〉
性的少数者(LGBT)の性的指向の暴露などを禁止する条例案を全会一致で「可決すべき」とした。LGBTのカップルを公的に認めるパートナーシップ制度は条文化せず、要綱で定める。

【パートナーシップ】
県の要綱案によると、制度は民法が定める成人年齢に達したLGBTのカップルが対象。カップルのうち1人が県民であれば、制度の利用を可能とする。県職員の立ち会いで宣誓書に記入して県に提出すると、宣誓書受領証が交付される。

県は宣誓書に加えて公正証書も受け付け、提出された場合は公正証書受領証を交付する。県は「受領証があればパートナーが配偶者と同等に扱われるため、住宅ローンや保険の契約が可能となる可能性が生まれる」としている。

この日の常任委で、稲森稔尚委員(草の根運動いが、2期、伊賀市選出)は「公正証書の申請には費用がかかり、手続きも煩雑。どう支援するのか。性的指向などを秘匿したい人も安心して利用できるのか」と尋ねた。

県当局は、相続や介護などに関する公正証書のひな形を記載したハンドブックを作成して活用してもらうと説明。「秘匿を望む場合は個室を確保し、限られた職員の前で宣誓してもらうようにする」と述べた。

車解体施設に届け出義務 ヤード条例、可決すべき
〈教育警察=濱井初男委員長(8人)〉
自動車解体施設などに届け出を義務付ける条例案(ヤード条例)や来年度一般会計当初予算案の県警関係分など3議案を全会一致で「可決すべき」とした。

【ヤード条例】
県警は意見公募の結果などを踏まえて条例案を修正し、届け出を義務付ける事業者に中古自動車輸出業者を追加。周辺地域の良好な生活環境を確保するため、県警本部と県が協力することも盛り込んだ。10月1日に施行する。

小島智子委員(新政みえ、3期、桑名市・桑名郡)は「盗難に関わる立法事実などは確認されているのか」と質問。県警本部の担当者は「盗難されたトラクターがヤードに持ち込まれたり、他県の盗難車が県内のヤードで解体されたりする事案はあったが、いずれも検挙されている」と説明した。

【科捜研】
県警が科学捜査研究所(科捜研)を本部の隣に新設することを想定していることに対し、委員から北勢地域への設置を検討するよう求める意見があった。

稲垣昭義委員(新政みえ、5期、四日市市)は「犯罪の多いところは北勢地域。そういうところに科捜研を置いた方が効率がよい。愛知県との連携も取りやすい。四日市北署の周辺はどうか」と提案した。

岡素彦本部長は「必ずしも県警本部に近くになければいけないわけではない。価格や入手のしやすさも含めて候補地を検討する」と述べた。

木曽岬干拓地工業用地の第2期分譲 来年度中にも完売見通し
〈総務地域連携=野村保夫委員長(9人)〉
地域連携部は木曽岬干拓地工業用地の第2期分譲について、早ければ来年度中にも完売する見通しとなったことを明らかにした。このため、令和4年度以降に予定していた次期分譲を3年度中に前倒しする方針。

【工業用地】
県によると、第2期分譲は昨年5月から受け付けを開始。分譲面積の約9割に当たる約11・3ヘクタールを、物流関係などの4社に分譲することが、今年2月末までに決まった。この4社のほかに、5社が分譲を希望しているという。

県は複数企業から次期分譲への打診があることなどから、分譲計画の前倒しを決めた。次期分譲は19ヘクタールを予定し、5月から12月まで募集する。また、分譲地の「イメージアップ」を目的に、工業用地の呼称を「木曽岬新輪工業団地」に変更する。

【地域鉄道】
新型コロナウイルス感染症の影響で利用者が減少しているとして、地域鉄道事業者に対する減収補填制度の創設や運行費補助制度の拡充などを求める請願を、全会一致で「採択すべき」とした。23日の本会議で採決する。

請願は三岐鉄道、伊賀鉄道、養老鉄道、伊勢鉄道、四日市あすなろう鉄道が先月17日付で提出。「地域鉄道は新型コロナの影響で利用者が大きく減少し、経営が急激に悪化している。暮らしを支える運行の維持には、さらなる国の支援が必要」としている。