生きるために備えを 東日本大震災10年で県追悼式 三重

【追悼式で、献花する鈴木さん=三重県庁講堂で】

東日本大震災の発生から10年が経過した11日、三重県は県庁講堂で追悼式を開いた。政府主催の追悼式に合わせて開催。県内に避難している人を含む約70人が参列し、黙とうや献花などで犠牲者を悼んだ。

政府主催の追悼式をスクリーンに映し出して実施。参列者は菅義偉首相の式辞や天皇陛下のお言葉を聞き、地震発生時刻の午後2時46分に1分間黙とう。避難者らが白いカーネーションなどを献花した。

鈴木英敬知事はあいさつで「コロナ禍で被災地への支援に多くの制約が出ているが、手を止めることなく被災者の心に寄り添い、歩んでいくことが大事。風化させず、生きるために備えることを誓う」と述べた。

岩手県陸前高田市から伊勢市に移り住んでいる鈴木眞弓さん(69)は今回初めて参列。「どうしても泣いてしまうのでこれまでは来なかった。追悼式が最後だと聞いたので参加した」と話した。

鈴木さんは「この10年間、一日として震災を忘れたことはない」と振り返った上で「日常生活の中で自分の身を守るすべを取得してほしい。風化させないために小学校の子どもたちに伝えていきたい」と語った。

県によると、震災で死者がいなかった県で追悼式を開いているのは三重だけ。新型コロナウイルスの感染拡大で中止した昨年を除き、毎年開催してきた。2月末で342人が被災地から県内に避難している。

鈴木知事は式後に県主催の追悼式について「今年までと考えている」と説明。来年以降については「毎年地震や津波に関するイベントを実施している。被災者に寄り添うことは別の形で進める」と述べた。