三重県議会一般質問 温室ガスゼロ実現へ 推進委を新年度設置

三重県議会2月定例月会議は9日、廣耕太郎(新政みえ、2期、伊勢市選出)、石田成生(自民党県議団、3期、四日市市)、喜田健児(新政みえ、1期、松阪市)、森野真治(新政みえ、4期、伊賀市)の4議員が一般質問した。県当局は2050年までに県内から排出される温室効果ガスを実質的になくす目標の実現に向け、ガスの排出状況などを年度ごとに評価する「県地球温暖化対策総合計画推進委員会」(仮称)を新年度に設置することを明らかにした。県民や事業者、有識者らが委員を務める。

■避難所に医療資機材を ― 廣 耕太郎議員(新政みえ)

災害時の応急処置を想定し、避難所に医療用資機材を配備すべきだと主張。県当局は資機材の維持管理コストや法規制といった課題を挙げつつ、市町から配備のニーズを聞き取る考えを示した。

【高校】
廣議員 高校が「避難生活施設」でないのは、各校長の判断だと聞いている。ある校長は「避難者が生活すると大変だ」と言う。小中学校は災害時に人でいっぱいだが、高校では誰も生活しないのは不思議。協力体制を敷いてほしい。

木平教育長 避難所の指定については市町から依頼を受けて各学校が対応を検討し、課題があれば県教委や防災対策部も協力している。質問のあった内容については、この場では詳細まで把握していない。指摘された点も確認しながら今後の対応を進めたい。

【医療資機材】
廣議員 避難所に医療の資機材を備えておくべき。専門家からは、設置することに「法的な問題はない」との声も聞いている。3億円ほどかかるかもしれないが、それで一人でも命を救うことができるのなら配備すべきだと考える。

日沖防災対策部長 使用期限切れによる買い換えのコストや維持管理をする人材の配置のほか、薬機法による規制といった課題がある。衛生環境などによって応急処置の内容が限られることも想定される。まずは市町の現状とニーズの把握に努める。

■通販相談29.1%増 ― 石田 成生議員(自民党県議団)

デジタル社会の進展による新たな消費者トラブルを懸念。県当局は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛の影響などで、昨年4―12月に県消費生活センターに寄せられた通信販売に関する相談が前年同期と比べて29・1%増加したと報告した。

【消費トラブル】
石田議員 デジタル技術の活用が不得意な人のほうが消費トラブルに遭いやすい。デジタル社会推進局が設置されるが、同時に新たな消費者トラブルの発生がないように取り組みを進めてほしい。

岡村環境生活部長 通信販売に関する相談の中でも、インターネット通販に関する相談が多く寄せられている。デジタル化の進展に伴い、新たな形の消費トラブルが増えることも予想される。市町や消費者団体などと連携して情報提供する。

【脱炭素社会】
石田議員 県は2050年までに温室効果ガス排出量を実質0にすると宣言した。排出量と吸収量をどのように算出するのか。進行管理をしないと目標年度の直前で慌てることになる。方法を示してほしい。

岡村環境生活部長 産業や家庭など部門・分野別に電気や燃料の使用量などから排出量を算出するとともに、森林や緑地などの吸収量を面積案分で県分の吸収量として算定する。県地球温暖化対策総合計画推進委員会を設置し、毎年度の排出状況や計画の進捗(しんちょく)を評価してもらう。

■職員に積極性を ― 喜田 健児議員(新政みえ)

昨年の本紙年始企画「キャリア座談会」で国から県に派遣された職員が発言した内容を元に「総務部こそ職員の積極性を引き出すべき」と主張。総務部は「各部局と施策を作り上げる姿勢が大切」と応じた。

【積極性】
喜田議員 昨年の伊勢新聞に掲載された座談会で、財政課長(当時)が「新しい事業への挑戦に慎重な職員が多い。どうやって積極性を引き出せばよいか悩んでいる」と話していた。総務部こそが職員の積極性を引き出す必要がある。

紀平総務部長 各部局の予算要求に対して単に指摘したり、削減したりするのではなく、より良い取り組みとなるよう、各部局と施策を作り上げる姿勢で建設的な議論することが大切。費用対効果はもとより、関連する施策全体を見た事業展開を議論したい。

【風土づくり】
喜田議員 この座談会で「みんやめ予算」を提唱した横山さん(スマート改革推進課長)は「仕事が積み重なったまま新たな仕事が入り込んでくる」と指摘した。職員が果敢に挑戦する風土づくりに向け、どのような対策が必要か。

紀平部長 人づくりの基本方針に「職員のチャレンジ」を掲げ、業務削減に取り組んでいる。昨年度は若手職員のスマート改革検討チームが具体的な提案を出し、県土整備部も若手の勉強会を実施している。果敢に挑戦する風土の醸成をひしひしと感じている。

■接触確認アプリで指摘 ― 森野 真治議員(新政みえ)

接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の一部で通知が届かなくなっていた問題で、不具合が起こっていた期間と県庁でクラスター(感染者集団)が発生した時期が重なっていたことから「気付かなかったのか」と指摘。県当局は「正常に運用されていると信じていた」と述べた。

【COCOA】
森野議員 アンドロイドを搭載したスマートフォンで昨年9月以降、接触の通知が来ない不具合が放置されていた。昨年11月に県庁でクラスターが発生したが、職員や家族は気付かなかったのか。

加太医療保健部長 確かに不具合に気付くチャンスはあったと考えられるが、国に開発され、正常に運用されていると信じていたので疑わなかった。保健所が接触者ら全員を把握できていたため、COCOAを意識することなく感染防止対策に対応していた。

【消防防災ヘリ】
森野議員 国の基準により、消防防災ヘリに2人操縦士体制の導入が求められている。任務を安全に遂行するためには当然のこと。令和4年4月1日の施行に間に合うのか。

日沖防災対策部長 2人操縦士体制に移行するには新たな操縦士の確保や育成が必要で、養成には一定期間を要する。移行に伴って必要となる規定の整備や予算の確保に向けて調整している。施行日から2人操縦士体制で運用を開始するため、準備を進める。

<記者席 ― “すれすれ”発言に冷や冷や>

○…過去に報道機関を「マスゴミ」と批判して謝罪に追い込まれた廣議員。森喜朗・東京オリパラ組織委会長の辞任に触れて「政治家は発言に責任を持ち、注意しないと」と気を引き締め、議場を沸かせた。

○…ところが、川口円議員の質問を引用する際に「男性です」と付け足して「『まどか』と言うと女性と間違うので」と発言。新政みえの同僚らは〝すれすれ〟の発言に冷や冷やだったに違いない。

○…石田議員は、2050年に温室効果ガスの排出量を実質0とする県の目標を踏まえて「30年後はこの議場に今いる人たちはいないし、この世にいるかも分からない」と長期目標を実現させる覚悟を促した。

○…最後には「あまり知事に答弁を求めることはなかったが、締めくくりとして求めたい」と知事に質問。さては、この議場を真っ先に去るのは国政転出がささやかれる知事だと決め込んだか。