地域再生・準大賞 「断らない医療」で病院再生 志摩市民病院に表彰状 三重

【地域再生大賞の準大賞を受賞した志摩市民病院の江角院長(前列中央)とスタッフら=志摩市大王町波切の同病院で】

【志摩】地方紙46紙と共同通信が、地域に活気を与え魅力を高める活動に取り組む団体を表彰する「第11回地域再生大賞」の県内受賞者への表彰式が2日、準大賞に選ばれた三重県志摩市大王町波切の「志摩市民病院」であり、伊勢新聞社の佐飛宏尚営業部長が江角悠太院長(39)に表彰状や記念盾などを贈った。

同病院は「断らない医療」を理念に掲げ、独自の取り組みで経営難を乗り越えた。県内の団体が準大賞を受賞するのは初めて。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から東京での表彰式を中止し、県内での式となった。

同病院は患者数減少による経営難で診療所への規模縮小が検討され、平成27年には医師が一斉退職した。一人残された医師の江角さんが院長に就任し、さまざまな改革を行った。

「どんな患者も絶対に断らない」をモットーに医療サービスの拡充を図ったほか、研修生は専門外の大学生や中高生まで受け入れ、地域住民との交流の場となる「病院まつり」を開催。地域に開かれた病院としてスタッフが一丸となり、日々の診療に当たっている。

江角院長は「なくてもいい病院、と言われてもスタッフが死に物狂いで頑張ってくれた。彼らもしんどかったと思う。そんな中でも応援してくれた住民の方がよりどころで、その声援があったから続けられた」と振り返る。

選考委員も「市民病院という地域のインフラの復活は暮らしやすいまちづくりにつながっている」「採算性の悪い訪問介護や在宅リハビリにも注力。貪欲に経営改善に取り組む意欲は素晴らしい」と講評した。

江角院長は「病気だけでなく患者が幸せになる全てに貢献できるような医者、病院になりたいと思わせてもらったのが一番のかけがえのない宝物」と話し、「これからも住民のためというのは変わらないが10年、20年、50年とやり続けられるような職員の中のモチベーションや続けていく意味を考え、職員にとっての一番いい病院にしたい」と意欲を見せた。