大紀町長に服部氏 新人対決制し初当選 投票率82.21% 三重

【万歳三唱で当選を喜ぶ服部氏(左)=大紀町大内山の選挙事務所前で】

【度会郡】任期満了(3月12日)に伴う三重県の大紀町長選と町議選は28日、投開票された。無所属新人2人が立候補した町長選は、元副町長の服部吉人氏(62)=大内山=が、元町議の柏木昭久氏(65)=滝原=を破って初当選を果たした。

午後10時ごろ、同町大内山の選挙事務所に服部氏当選確実の第一報が伝わると、集まった支援者からは歓声が巻き起こった。服部氏は支援者らに感謝を伝えると、「今日からはノーサイド。職員とワンチーム一丸で新しい町づくりに取り組んでいきたい。町民の幸せのために一所懸命にやりたい。これからが大事。温かい支援を」と決意を語った。

服部氏は少子高齢化に伴う人口減少を課題に掲げ、地区単位での懇談会開催による意見反映の場づくりや、ITを活用した高齢者見守りシステムの構築などを主張。通算約40年間の行政経験を強調し、谷口町政からの変革を主張する柏木氏との一騎打ちを制した。

町議選は前回から3減の定数11に計14人が立候補し、現職7人、新人4人が当選した。党派別では無所属10人、共産1人。

当日の有権者数は7236人(男3385人、女3851人)。投票率は町長選、町議選共に82・21%。町長選は前回と比べて2・81%減、町議選は同2・80%減となった。

■課題は谷口氏からの脱却■

無所属新人同士による一騎打ちの選挙戦を制したのは、現職谷口友見氏から後継指名を受けた元副町長の服部氏だった。

服部氏は谷口氏が本拠地とする錦地区をはじめ各地区に拠点を置いた組織的な選挙戦を展開。旧大内山村役場から通算約40年間の行政経験を前面に押し出し、少子高齢化に伴う人口減少対策や、ITを活用した高齢者施策の充実などを最大争点に支持を拡大した。

対する柏木氏は、反谷口層の取り込みを図り、谷口政権の継承者たる服部氏との対立構造を強調。錦地区の防潮堤工事継続の是非を主要な争点に、谷口政権からの「脱却と変革」をスローガンに掲げて支持を求めたが及ばなかった。

課題はまさに谷口氏の威光からの脱却と言える。服部氏は谷口氏から後継指名を受けながらも「引き継ぐところは引き継ぎ、変えるところは変えていく」と独自路線を強調。しかし現時点で政策面での明確な差別化は図れてはおらず、ワンマン体制を批判された谷口氏による「院政」への懸念はぬぐいきれていない。

公約に掲げた「町民総意の町づくり」の実現のためにもまずは確固たる存在感を示していく必要がある。