三重県議会 特別支援学級に給食ガイド 来年度2学期から活用

三重県議会2月定例月会は26日、小島智子(新政みえ、3期、桑名市・桑名郡選出)、木津直樹(自民党県議団、2期、伊賀市)、稲垣昭義(新政みえ、5期、四日市市)、三谷哲央(新政みえ、7期、桑名市・桑名郡)の4議員が一般質問した。木平芳定教育長は、小中学校の特別支援学級に提供する給食の食材や調理方法などをまとめたガイドブックを策定する考えを示した。児童と生徒に安全に給食を提供することを目的に、来年度の2学期から活用する。

■コロナ困窮世帯支援は ― 小島 智子議員(新政みえ)
新型コロナウイルスの感染拡大で困窮する世帯への支援状況を尋ねた。県は収入が減少した世帯などを対象に特例で貸し付ける緊急小口資金への申請額は1月末現在で約18億2900万円で、前年同期の260倍に上ったと説明した。

【家計支援】
小島議員 ひとり親家庭などに対し、県はどんな支援をしてきたのか。家計の厳しさを感じるが、定量的には明らかになっていない。実態は把握しているのか。

大橋子ども・福祉部長
生活困窮で食事を十分に取れない子どもや家庭に対して食料配布などする民間団体を支援するため、昨年6月に補助金を創設した。来年度は企業や民間団体、支援が必要な人をつなぐ居場所づくりに取り組む。今後の状況変化に応じて、定量的な実態把握も検討する。

【ガイドブック】
小島議員 食事が困難な児童生徒への給食の提供は特別支援学校では実施されているが、特別支援学級のある小中学校では経験がない場合もある。給食をどのように提供し、何に注意すべきかを示すガイドラインもない。ガイドラインを作成してはどうか。

木平教育長 特別支援学校で実施している保護者との連携や食材、調理方法、実施体制などをガイドブックとして取りまとめ、小中学校でも活用できるようにする。検討委員会を設けて、食事に配慮が必要な児童生徒の現状や課題を聞いて作成する。

■豚熱対応見直し要請を ― 木津 直樹議員(自民党県議団)
CSF(豚熱)が発生した農家から「全頭殺処分となることに納得できない」との声が上がっているとして、対応の見直しを国に働き掛けるよう求めた。県当局は「豚熱が発生した豚舎だけでの殺処分とすることなどを粘り強く働き掛けたい」と返答した。

【生産調整】
木津議員 新型コロナなどの影響で、農林水産省は令和3年産の食用米を過去最大規模で削減する生産調整を示した。県内でも前年比3・1%の削減を余儀なくされ、作付け転換を円滑に進めなければならない。どう取り組むのか。

前田農林水産部長 国は作付け転換を緊急的に進めるために支援制度を創設する予定。この制度を積極的に活用するなどして作付け転換を促進したい。過去最大規模の生産調整に危機感を持っている。施策をフル活用し、需給安定と収益力向上につなげる。

【豚熱】
木津議員 養豚農家からは「豚熱が発生したら、ワクチンを打っていても全頭殺処分となることに納得できない」との声がある。発生した農家に支払われる手当金も少なく、再開には金銭的な援助が必要だという声も聞いた。

前田部長 全頭殺処分による農家の負担は大きく、発生した豚舎だけでの殺処分とすることなどを国に要望している。今後も具体的な提案をしながら粘り強く働き掛けたい。手当金は再開に極めて重要。飼養実態に合った申請ができるよう支援したい。

■「五類感染症」国に要請を ― 稲垣 昭義議員(新政みえ)
感染症法で新型コロナウイルス感染症を季節性インフルエンザと同等の「五類感染症」に位置付けるよう国に要請すべきと主張。鈴木知事は「現時点では誤解につながるおそれがあり、申し入れる状況にはない」との見解を示した。

【感染症法】
稲垣議員 新型コロナが不治の病でないということは分かってきた。特別扱いせず、インフルエンザと同等の五類相当に位置付けるべき。国に対して強く求めてほしい。

知事 新型コロナは感染症法の改正で、必要な対策ができるようになった。今後の位置付けは、治療薬の開発やワクチンの予防効果で判断される。今月に入ってからの死者は20人を超え、重症者もいるため、現時点で位置付けを変更することは誤解につながるおそれがある。

【後遺症】
稲垣議員 新型コロナは後遺症への不安がある。SNSの書き込みを見ると、恐怖心を抱くが、果たしてどれくらいの人に後遺症があるのか明らかにされていない。後遺症の調査や把握はしているのか。

加太医療保健部長 後遺症についてはまだ解明されていないところが多く、厚労省の研究チームで調査が始まったところ。県では昨年12月末以降に退院した患者らを対象にアンケートを実施した。307人に送付し、約64%の196人が回答した。分析を進め、対策に役立てたい。

■臨財債頼みは「異常」 ― 三谷 哲央議員(新政みえ)
国が将来的に交付金として補填(ほてん)する臨時財政対策債(臨財債)を「一種の虚構だ」とし、臨財債頼みの県財政を「異常」と批判した。鈴木知事も「持続可能な財政に向けて縮減を図るべき」と述べ、地方の財政改善に向けた国への提言に努める考えを示した。

【臨財債】
三谷議員 臨財債は「国にカネがないので県に借りてもらい、国が後に交付金で面倒を見る」という一種の虚構。県は臨財債の大幅増で財政を運営しようとしているが、臨財債頼みの財政はもはや異常としか言いようがない。

知事 令和3年度当初予算では新型コロナの影響で県税が減収となり、臨財債の発行はやむを得ないと判断し、588億1700万を発行した。臨財債は実質的には交付税だが、地方の債務。持続可能な財政に向けて縮減を図るべきだと考えている。

【木曽岬干拓地】
三谷議員 国から木曽岬干拓地の払い下げを受けてから今年で20年目。メガソーラーも操業を開始して大きく前進しているが、早急な用地分譲を求める声もある。名古屋近郊にある広大な土地について将来の展望を考えるべき。

大西地域連携部長 第1期と第2期の分譲が順調に進み、複数の企業から次期分譲の問い合わせがある。令和4年度以降としていた第3期や第4期の分譲を可能な限り前倒しし、早期に分譲を開始したい。地域活性化に資するよう、夢のある未来像を描く。

<記者席 ― 矛先さまざま、執行部には脅威>
○…県が設置の是非を検討している県立大学について、小島議員が「知的障害のある人が社会経験する場としても検討を」と要望したのに続き、稲垣議員は「JR四日市駅前に設置しては」と提案。

○…早速にも綱引きが始まったかと思いきや、両議員と同じ会派の重鎮・三谷議員は「設置ありきではならない」と、浮き足立つ執行部と議員らに釘を刺した格好。奥野議員だけが拍手していた。

○…その三谷議員、新型コロナ関連の臨時交付金を充てる県の事業を対象に実施した独自の〝監査結果〟を議場で披露した。「国から交付されるカネであっても、原資は税金」との考えからだという。

○…防災対策部への指摘に始まり、環境生活部に矛先が向いたかと思えば今度は農林水産部が標的に。総務部には「事業継続を認めるのか」と迫った。恒例行事になれば、執行部には脅威だろう。