「市長らに責任」「市の体制にメス」 津市職員、県警に期待 自治会長ら逮捕で 三重

【津地検に送検される田邊容疑者(中央)=津署で】

三重県の津市から補助金をだまし取ったとして、津署が相生町自治会長、田邊哲司容疑者(60)を詐欺容疑で逮捕した事件から一夜明けた25日、複数の市職員が伊勢新聞の取材に応じ、県警への期待を語った。田邊容疑者が市幹部と共謀し、複数の補助金を詐取した疑惑が浮上していることを受け「田邊が増長した原因は市長ら幹部の責任」「腐りきった市の体制に捜査のメスが入った」などと指摘した。

この事件を巡っては、田邊容疑者が自治会長に就任した平成25年以降、多くの市職員に難癖を付け、土下座や丸刈を強要したとされる。複数の市幹部が土下座の場に同席し、職員に同調圧力を加えることで田邊容疑者に逆らえない体制が形成された。

田邊容疑者や市幹部らに土下座させられた経験がある40代男性職員は「特定の個人に行政がゆがめられ、大半の職員が事なかれで済ませてきたのがとても残念。余罪はたくさんあると思うので警察には徹底的に疑惑を追及し、市の膿(うみ)を出し切ってほしい」と述べた。

40代女性職員は「市は動くのが遅すぎた。市長はもっと早く告訴に踏み切り、正常化に向けて動けたはず」と対応を批判。その上で「声の大きい者に忖度(そんたく)し続けた結果、市民を裏切り、恥をさらした。組織を生まれ変わらせないといけない」と話した。

逮捕を受け、前葉泰幸市長が「市役所がだまされて市民に申し訳ない」などとするコメントを出したことへの怒りの声も。複数の職員は「市長は散々見て見ぬふりを続けながら被害者面にあきれた。トップが反省し、自身の非を認めて謝罪しなければ市役所は変わらない」と指摘した。

また、別の40代男性職員は「田邊がここまで増長した責任は市長や盆野副市長ら市幹部にある。下級職員は仮に処分されるにしても幹部より重いのは納得できない。警察は疑惑をうやむやにせず、真相を究明してほしい」と期待した。

津署は同日、詐欺容疑で田邊容疑者と同市の塗装業、増田宏和容疑者(38)を津地検に送検した。