伊勢市、開発業者と協定断念 駅前複合ビル、契約条項巡り折り合わず 三重

【開発業者との基本協定を断念したことを伝える鈴木市長=伊勢市議会議場で】

【伊勢】三重県伊勢市が保健福祉拠点の入居に向けて交渉を続けている同市駅前B地区市街地再開発事業で、鈴木健一市長は22日の市議会全員協議会で、開発元の伊勢まちなか開発(齋藤元一社長、河崎1丁目)との基本協定締結を断念することを明らかにした。同日にも最後通告に当たる文書を同社に郵送するという。

事業は同市宮後1丁目の旧三交百貨店跡地の地権者で構成する同社を事業主体に、駅前のにぎわい創出を目的とした12階建て複合ビルを建設。市はこのうち5―7階を保健福祉拠点として整備する方針を決め、同社と仮契約に当たる基本協定を締結したうえで内装工事に着工し、令和4年度からの入居を目指して同社との協議を進めていた。

昨年の市議会12月定例会では内装工事の設計委託料1530万円と、20年間の賃料22億6330万円の債務負担行為が付帯決議案付きで可決された。市はこれを受けて、同社と交渉を重ねていたが、未入居時点での賃料発生や、解約時の全額補償などといった市側に不利な条項が盛り込まれていたことから同意に至らなかったという。

鈴木市長は16日付で幹部職員を交えた経営戦略会議を開いて方針を決めたとし、「違法性が生じる協定は結ぶべきでないと決定した。入居に向けた基本協定締結は断念せざるを得ない」と説明。新年度からは当面の間、市役所本庁舎健康福祉部内に機能を移して相談などに対応するとした。

伊勢まちなか開発の事務局担当者は取材に対し、「まだ正式な文書での回答をいただいてないのでコメントできない」と述べた。