
【度会郡】三重県玉城町田丸の田丸城跡で21日、田丸神社の例祭の獅子頭厄払い神事が営まれ、新型コロナウイルスの終息などを願う獅子舞が奉納された。
同神社の獅子頭神事は、260年以上前にこの地域で流行した疫病の退散を祈願して始まったと伝わっている。獅子頭や獅子舞は町有形無形文化財に指定されていて、「田丸神社獅子舞保存会」の会員6人が伝統の舞を継承している。
今年は新型コロナ感染予防として、各戸訪問や獅子頭の紙垂(しで)髪の配布、息災祈念の獅子頭による頭かみ行事が中止となったため、同神事の場所を地域が見渡せる田丸城天守跡に変更し、氏子の無病息災や疫病退散を願った。
ちょうちんを手にした氏子総代らによる「ホーボヤ、チョーサイター」という獅子を出迎えるかけ声の後、七起こしの舞の七番「悪魔払いの舞」が始まり、獅子が刀を手に四方を払いながら勇壮に舞った。
見並倫宮司(53)は「コロナ禍で大変な思いをしている方がいらっしゃるので平穏な生活に戻るようにお祈りしたい」と話していた。