<検証・県予算>三重とこわか国体・大会 中止でも全額支出か

【大会までの日数を示す液晶パネル=三重県庁で】

開催の可否が危ぶまれるのは、太平洋・島サミットだけではない。今秋の三重とこわか国体・とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)も、現状では決して開催が断定できるわけではない。

県は新年度当初予算案に、大会の準備や競技力向上の費用として86億7500万円を計上した。新型コロナウイルス感染症の対策費と並び、過去最大規模の予算となった要因の一つだ。

それでも県は「当初の想定よりも節減できた」と胸を張る。新年度を含めた3カ年の総額は115億円で、近年に開かれた5県の平均に当たる117億円を2億円ほど下回ったからだ。

県庁内では「コロナ禍での節減はすごい努力」(廣田恵子副知事)などと、〝お手盛り〟の評価であふれかえっている。式典会場の変更や人員搬送コストの圧縮などを進めた結果だという。

ただ、この予算とは別に「その他の費用」が存在することは、あまり話題にならない。その費用は来年度を含めた3年間で95億円に上る。競技会場となるスポーツ施設の整備費などだ。

この費用を他県と比較してこそ〝お手盛り〟ではなくなるはずだが、比較しようとする気はなさそう。県の担当者は「各県で事情が異なるため、純粋に比較できない」との説明を繰り返す。

東京オリンピック・パラリンピックと同じく、感染状況が見通せない中で国体を開催できるのかという懸念も尽きない。事実として、昨年の開催を予定した鹿児島国体は令和5年に延期された。

万が一の事態として、両大会が延期や中止となれば、新年度予算に計上した関連費用はどうなるのか。通常であれば、他の目的に充てたり、次年度の予算に繰り越したりするはずだ。

ただ、担当者は「中止や延期となった場合の予算的な想定は持ち合わせていない」と回答。「仮に予定通りに開かれなかったとしても、ほぼ全額の予算が支出されるだろう」と観測する。

中止や延期となった場合でも一定の予算を温存できるよう、あらゆるシミュレーションをしておくべきでないか。担当者は「今は開催しか考えていない」と自信たっぷりに語った。