<検証・県予算>太平洋・島サミット コロナ禍で詳細日程未定

【太平洋・島サミットの概要を紹介するパネル展示=三重県庁で】

三重県志摩市で年内の開催が予定されている「太平洋・島サミット」。県は新年度当初予算案に推進事業費として約5300万円を計上したが、コロナ禍で詳細な日程は示されていない。

サミットと言えば、同じ志摩市を主会場として平成28年に開かれた主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)。首脳らの乾杯に使われた地酒をはじめ、県産品の知名度向上や経済効果に沸いた。

あれから5年を経て誘致されたのが太平洋・島サミットだ。オーストラリアやニュージーランドなど、19の太平洋島しょ国から首脳ら約200人が集まり、気候変動などを巡って意見交換する。

県は伊勢志摩サミットの経験を生かして「万全の準備」を進めてきた。昨年8月には官民でつくる推進会議を設立し、100日前などの節目に合わせてイベントを開催することを決めた。

ところが、今年に入っても開催の日程は未定。例年は5月下旬のため、県は3月中に100日前イベントの開催を予定していたが、日程の不透明さや感染状況を踏まえて見送った。

新年度当初予算案でも太平洋・島サミットの開催30日前に実施するイベントの関連予算を計上した。しかし、感染状況が見通せず、イベントの具体的な内容は固まっていない。

首脳らをもてなす「地元プログラム」の準備も進んでいない。県は昨年末にもプログラムの内容を外務省に提案する予定だったが、これについても先延ばしになっているという。

果たしてサミットは開かれるのか。県の担当者は「リモートではなく、現場で開く方向で外務省には検討してもらっている」としつつ、「県に決定権はないので待つしかない」と歯切れが悪い。

太平洋島しょ国には新型コロナが発生していない国もあるほか、一部の国ではワクチンの接種が始まっている。ただ、各国の首脳らがこの感染状況で来日するのかという現実的な問題もある。

推進会議の参加者からは「コロナ禍からの復活の起爆剤」として期待する声もある。観光や飲食業の業績悪化は顕著。伊勢志摩サミットのような経済効果にすがりたい気持ちもあるだろう。

イベントを開催できない中、県が注力するのがSNS(会員制交流サイト)を使ったPR。4つのサイトにサミット専用の公式アカウントを開設し、写真の投稿などで県の魅力を発信している。

ただ、ツイッターやインスタグラムのフォロワーは2千人以下で、発信力は十分とは言えない。国際戦略課は「プレゼントが当たるキャンペーンなどでフォロワーを増やしたい」と話す。