<検証・県予算>システム関連費 契約先顧問に県OB 理解得られるか

【虐待対応のAI活用をアピールする三重県の資料】

システム関連予算の多寡を客観的に判断するのは難しいが、その費用が前年度よりも高額となれば誰もが疑念を抱くだろう。さらに契約先の顧問に発注側のOBが就任していたら、なおさらだ。

県は2年前から児童虐待の対応にAI(人工知能)を活用してきた。けがの状況や当事者の属性などをタブレット端末に入力すると、保護の必要性や虐待の再発可能性が表示されるシステムだ。

平成24年の児童虐待死事件を受けて「悲劇を繰り返すわけにはいかない」と、産業技術総合研究所(産総研)と協力して導入。令和元年度の実証実験当初は、全国的に注目を集めた。

ただ、導入当時から経費の「割高感」が課題だった。昨年1月の査定では、約1億2千万円を要求した子ども・福祉部に対し、稲垣清文副知事が「非常に割高」とくぎを刺す一幕もあった。

「システムに相乗りする自治体があれば削減できる」との説明で査定を乗り越えた同部だが、現在もシステムに相乗りする自治体はない。それでも新年度は同じ委託先との随意契約を決めた。

それなら新年度の契約金額は本年度と同額ほどかと思いきや、実際は違った。関係者によると、同部が当初に要求を想定した費用は、前年度の契約金額より数100万円ほど高額だったとされる。

補修などが必要なハコモノでない限り、維持費は低減していくのが常識だが、なぜ増えたのか。尋ねてみたが、担当者は「契約先の見積もりが関係する」などとして明らかにしなかった。

一方、最終的に計上された関連予算は6400万円に下がった。関係者によると、県庁内で別の部署から「金額が高すぎる」との〝強い働き掛け〟を受け、契約先との交渉を重ねた結果という。

減額は良しとも、それなら逆に当初から削減できなかったのかという疑問も生まれる。担当者は取材に「もともと契約金額を下げていくつもりだった」と説明。関係者の話と食い違う。

ただ、疑問はそれだけではなかった。さらに取材を進めたところ、この事業で契約先となっている会社のうち1社の顧問に、県の児童相談所で所長を務めた元県職員が就任していることが判明したのだ。

県当局も、この事実を認めた。「導入の経緯や契約金額とは全く関係ない」と強調するが、果たして理解は得られるか。高らかな理想を掲げる事業でも、予算の〝詰め〟は必要だ。