津市・自治会問題の百条委 市幹部ら、現金受け取るよう指示 自治会長側から手渡し 三重

三重県津市の相生町自治会長と市幹部が癒着し、補助金詐取や市職員への土下座、丸刈り強要などがたびたびあったとされる問題で、市幹部2人が複数の市職員に自治会長側から現金を受け取るよう指示したことが明らかになった。市内でスナックを経営していた自治会長の知人女性が市役所で職員に現金を手渡し、市幹部2人はその場に同席していたという。職員らは後日、自治会長側に返金した。

自治会長を巡る一連の疑惑を調査する市議会の調査特別委員会(百条委員会)が15日にあり、青山昇武議員(公明党議員団)の指摘で明らかになった。名指しされた市幹部は橋本英樹人権担当理事(当時)と南勇二文化振興担当理事。

橋本理事は「自治会長の求めに応じて同席した。議員のおっしゃるとおり」と述べ、指摘をおおむね認めた。一方、南理事は自治会長に呼ばれて同席したことを認めたが詳細については「記憶にない」と答えた。

青山議員によると、平成30年6月、スナックを経営していた自治会長の知人女性が市役所を訪れた際、橋本理事が複数の職員を呼び出した。両理事がいる前で、知人女性が職員らに現金入りの封筒を渡したという。この場で手渡された職員は数人おり、その後両理事に一人で呼び出された職員もいたという。

青山議員は「文字起こしをしている」とした上で、両理事が一人だけ呼び出した職員に対し「自治会長から預かってきたから受け取ってくれ。そうしないと収まりがつかない。他の者はみんな受け取った」と言い、現金入りの封筒を渡そうとしたと主張した。

その上で、青山議員は両理事の行為に激怒したその職員が「民間人から金を受け取ったら懲戒免職。2人はそれを承知で配っているのか」と怒鳴り返し、受け取らなかったと指摘。両理事は「俺たちからでは返せない」と言って突き返された封筒を受け取らなかったため、職員らが後日自治会長側に返金したという。

次回は3月8日午前10時から。盆野明弘副市長と南理事を法的な拘束力の伴う「証人」として招致し、行政対象暴力の経緯や詳細について審議する。証人は偽証や理由なき出廷をした場合、地方自治法違反の疑いで刑事告発の対象となる。

 

■盆野副市長、スナック出入りを謝罪 総務部長時代に■
盆野明弘副市長は15日の津市議会百条委で、総務部長時代に相生自治会長の知人女性が経営する同市大門のスナックに出入りしていたことを認めた。このスナックには大勢の市職員が自治会長に通うよう強要されていた疑いがある。盆野副市長は総務部長が店に通うことで、下の職員が自治会長の要求を断りにくくなったことを認め「間違いだった。本当に申し訳ありません」と謝罪した。

盆野副市長は同店で若い職員がカウンター内で店の手伝いをしていたのを見た旨を語り、時には店が市職員であふれるような様子で、その場に自身が立ち会っていたことを認めた。スナック通いなどの行政対象暴力に対する市の調査結果報告書は「若手職員が世話人としてテーブルの配膳や幹部職員の出迎えなどに従事させられていた」と指摘している。

盆野副市長は「当時はよかれと思ってスナックに通っていた」と主張。ただ「まったく間違っていた。『上はこういうやり方をするんだ』と若い世代の方々の不信感を招いたことはまったく申し訳なく思う」と陳謝した。平成28年に副市長に就任して以降、同店に通うことはやめたという。

 

■謝礼で30万円持参促す 辻市議、議長就任の加藤氏に■
この日の百条委には、辻美津子議員(市民クラブ)も参考人として呼ばれた。藤本智子議員(共産党津市議団)は、昨夏の議長選を巡って辻議員が加藤美江子議長(公明党議員団)に対し、相生町自治会長に議長就任の謝礼の意味で現金を持って行くよう促した疑いを指摘。辻議員は「相場はこれくらいやに」と加藤議長に言い、30万円を持って行くよう促した事実を認めた。加藤議長は「そんなことをできるわけがない」と申し出を断り、辻議員はその後、加藤議長に謝罪したという。

辻議員によると、合併前の旧久居市議長を務めた際、先輩議員から世話になった人に「お礼」をするよう言われた記憶があるという。その記憶が加藤議長への「相場はこれくらい」発言につながったと主張。辻議員自身が旧久居市議長時代、世話になった人に「お礼」をしたかは「覚えていない」と答えた。

藤本議員は、辻議員が加藤議長に対し「一回だけでいいんや。初めだけでいいからしときや」と強い口調で現金を渡すよう迫ったと主張。辻議員は「しつこくどうこうと言った覚えはない」と語った。

この問題を巡っては、加藤議長が議長に就任した昨年7月、自治会長から加藤議長宛に花束が贈られた。加藤議長は花の礼に自治会長の下を訪れた際、返礼が遅いという旨の文句を言われたという。加藤議長は同僚の辻議員に相談し、辻議員が「相場は」発言をした経緯がある。