伊勢市議会 駅前再開発、業者との交渉再び暗礁に 三重

【基本協定を巡る交渉の経緯を説明する鈴木市長=伊勢市議会議場で】

【伊勢】三重県の伊勢市議会全員協議会は15日開き、市が保健福祉拠点の入居を検討する同市駅前B地区市街地再開発事業について、基本協定締結に向けた開発業者との交渉の進捗を報告した。賃料の起算日や解約条件を巡り業者との交渉が不同意に終わったことが明らかとなり、事業は再び暗礁に乗り上げた形となった。

市によると、入居に向けた予算案が可決された昨年12月以降、4回にわたって業者と基本協定締結に向けて協議。今月10日には鈴木健一市長も立ち会い交渉に臨んだが、賃料起算日▽解約と違約金▽都市開発基金の記載―の3点で同意に至らなかったという。

このうち賃料の起算日については、市が主張する「内装工事を着手する『本物件の占用を開始する日』」に対し、業者側は「令和3年4月1日とし、当初の予定通り4月から賃料を求める」と回答があった。

また解約と違約金について、市は「いずれか一方が違反し、是正に応じなかった場合ややむを得ない事由で申し出たときは解除できる。解除で損害を被った場合は合理的な範囲内で賠償を請求できる」と主張。これに対し業者側からは「残存賃料の全額を違約金として一括で支払うことで解約できる。市が代替賃借人を紹介し、市と同一条件で契約出来る場合は解約でき、違約金の支払いは発生しない」と回答があった。

議員からは「一度交渉を白紙に戻すべき」「今更折り合うことはあり得ない。どうか英断を」などと、事業撤回も辞さないとする厳しい意見が相次いだ。

鈴木市長は「我々も時間をかけて弁護士に相談しながら協議を進めてきた。これ以上は引き下がれない」と述べ、地方財政法上の観点からも業者の提示条件を受け入れることは不可能とした。今後の対応については、「意見を聞いたうえで方向性をまとめたい」と述べるにとどまった。