<検証・県予算> 経済再生、効果に疑問 新型ウイルス対策関連費

【三重県が実施したキャンペーンのチラシ】

三重県の新年度一般会計当初予算が過去最大となった要因は、新型コロナウイルス感染症の関連費にある。当初予算と一体で編成した本年度2月補正予算案を含め、総額は約548億円に上る。

財政状況が「予断を許さない」と言う県にとっては多額の出費だが、頼みの綱は国の交付金だ。関連費の約7割に当たる約400億円が、緊急包括支援金や地方創生臨時交付金で賄われる。

ただ、関連費に計上されているのは病床確保やワクチン接種といった直接の費用だけではない。約121億円は、地域経済の再生をはじめとする医療とは直接に関係がない事業に充てられる。

本年度予算でも経済再生を目的とする事業が相次いだが、全てに十分な効果があるのかと言えば少し疑わしい。その一例が10日から実施中の「食べて当てよう!みえの恵みキャンペーン」だ。

スーパーなどで販売される県産品のラベルを3枚集めて応募すると、抽選で3千人に6千円相当の県産品が当たる事業。飲食店に対する営業時短要請の影響を受けた生産者を支援する狙いだ。

事業費の4200万円は国の交付金で賄われるが、その効果が疑問だ。事業の担当者は「この事業によって10億円の売上げが見込める」と強調するが、応募の想定は「6千件」と回答した。

この計算、どう考えても成り立たない。1件の応募につき十数万円近くの県産品を購入してもらう必要があるが、記者がスーパーを巡ったところ、数百円程度の商品にもラベルが貼られていた。

この事業を企画した経緯について取材を進めると、ある事情が浮かび上がってきた。実は県が昨年末に実施していた県産品の販売促進キャンペーンで〝余ったカネ〟を充当していたのだ。

こちらは購入した県産品の金額に応じて必ず高級食材がもらえる事業で「賞品総額1億円!」と銘打った。ただ、結局は応募が想定より少なく、賞品購入費の半額ほどを余らせてしまった。

ある県職員はキャンペーンへの応募を試みるも断念したと明かす。「応募の条件に達するまでの金額が高すぎて、県産米の購入を最後にあきらめた。制度設計に問題がある」と指摘する。

さらに、この事業では別の課題も浮上。2億円に上る事業費のうち、半額は広報や事務などの委託費だった。つまり、結局は5千万円程度の賞品を贈るために1億円を費やしたことになる。

担当者は「PRの手段やノウハウを持っている事業者に頼らないと、事業を効果的に進められない」と説明。「コロナ禍で事業のやり方を模索しているのが現状。工夫を続けたい」と語った。