三重国体賞状に伊勢和紙 大豊和紙工業、職人が一枚一枚手漉き

【とこわか国体の表彰状に使われる和紙を手漉きする職人=伊勢市大世古の大豊和紙工業で】

【伊勢】伝統工芸の伊勢和紙を製造する三重県伊勢市大世古の「大豊和紙工業」で、三重とこわか国体の表彰状にする和紙づくりが進んでいる。亀山産のミツマタを原料に、職人が一枚一枚手漉きし、仕上げる。

とこわか国体では、男女総合成績1―8位の都道府県に贈られる賞状に、伊勢和紙を使用する。県内で唯一伊勢和紙を生産する同社が県の依頼を受け、1月下旬から製造に取りかかった。

同社は明治32年の創業以来、伊勢神宮のお札に使われる神宮御用紙などを手掛けている。和紙の原料は、コウゾやミツマタといった植物の樹皮が使われるが、今回は亀山市で生育しているミツマタを使用。ミツマタの和紙は、きめ細かい光沢と表面の美しさが特徴だという。

漉(すき)きの作業が11日に行われ、職人が水を張った「漉き舟」にミツマタの樹皮の繊維などを入れてかき混ぜ、簀(す)ですくい取り、厚さが均等になるよう前後左右に揺らして漉いていった。漉き上がった和紙は、水分を絞って乾燥させ、予備を含め40枚を仕上げる。

同社の中北喜亮取締役(35)は「亀山産ミツマタで製造するのは初めてのこと。県産の上質な原料を使い、後世まで残るような表彰状用紙に仕上げたい」と話していた。