危険運転の適用範囲広げて 遺族、法改正を訴え 津5人死傷事故

【控訴審判決を受けて法改正を訴える大西まゆみさん(右)ら=名古屋市で】

危険運転の適用範囲を広げてほしい―。一審に続いて危険運転致死傷罪を退けた高裁判決を受け、事故で亡くなった大西朗さん=当時(31)=の遺族が12日、名古屋市内で報道陣の取材に応じ、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)罪の改正を訴えた。

朗さんの婚約者、牛場里奈さん(34)は「どうみても危険運転なのに『危険運転ではない』と言われ、適用範囲がすごく狭い法律だと分かった。そんな法律はいらない」と主張。判決に対して「悲しいを通り越してあきれ、怒りを覚えている」と述べた。

朗さんの父、大西正晃さん(68)は「危険運転致死傷罪以外は考えられなかったので、最悪の結果」と嘆いた。正晃さんは時折、ハンカチで目元をぬぐって「悔しい。4人の命を奪っており、普通なら死刑」と絞り出すように語った。

朗さんの母、大西まゆみさん(61)は「法律を変えるしかない」と強調。堀内満裁判長が判決で、時速146キロの運転を「危険な運転であることは言うまでもない」と触れた点を踏まえて「『危険だけど危険でない』と言うのはおかしい」と憤った。

まゆみさんは控訴審判決を前にした1月末頃から緊張で食事がのどを通らず、眠れない日々が続いたという。「こんな判例を残すのは何にもならない。これから何をしていいのか分からないが、このままでは絶対に終わりたくない」と語った。