三重県過去最大の7882億円 新年度当初予算案一般会計 コロナ対応や国体向け

【記者会見で、令和3年度当初予算案を発表する鈴木知事=県庁で】

三重県は12日、令和3年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比475億円(6・4%)増の約7882億円。新型コロナウイルス感染症の対応や今年の三重とこわか国体に向けた費用がかさみ、県政史上で過去最大となった。17日の県議会本会議に提出する。

新型コロナウイルス感染症の関連経費には、当初予算と一体で編成した本年度2月補正予算案を含めて581億3千円を計上。医療体制の確保や経済再生など、127件の事業に充てる。

三重とこわか国体・三重とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)は、開催経費や競技力向上対策費で86億7400万円。これにより、両大会の関連費は令和元年度からの3年間で115億円となった。

デジタル技術で業務の効率化や社会課題の解決を図る「デジタルトランスフォーメーション」の取り組みは、総額で37億800万円。農林水産や観光など多方面で65件の事業を予定している。

県民の意見を予算に反映する県民参加型予算(みんつく予算)は、前年度比約800万円(15・4%)増の5800万円。子どもを性被害から守る事業や若年起業家を育成する事業など13件を採択した。

各部局は当初予算の編成に当たり、事業費ベースで過去最大の8183億円を要求していた。財政当局は事業の精査や交付金の確保などを図ったが、それでも43億7千万円の財源不足が生じた。

このため、将来の県債返済に充てる県債管理基金について、積み立ての一部を見送った。80億円2千万円の積み立てを計画していたが、36億5千万円に減額。積み立て不足の累積は173億円に上る。

一方、県が財政状況を示す指標として独自に設ける経常収支適正度は前年度より0・4ポイント改善し、99・3%となった。県は「人件費や県債発行の抑制により、財政状況は着実に改善している」としている。

また、本年度2月補正予算案は、一般会計に368億1千万円を追加。33億4千万円は感染拡大の打撃を受けた飲食店などへの支援金、281億7千万円は国土強靱(きょうじん)化関連の公共工事に充てる。

鈴木英敬知事は12日の記者会見で、当初予算案を県花のハナショウブにちなんで「ハナショウブに願いを込めて予算」と命名。花言葉になぞらえて「うれしい知らせが県民に届く予算にしたい」と語った。

一般会計が過去最大となったことには「新型コロナ対策や国体、デジタル、防災減災などの大きな課題が集中し、過去最大の予算となった。効果的に執行できるよう、緊張感と使命感を持って対応したい」と述べた。

その上で「県債残高や経常収支は予断を許さない状況ではあるが、必要な事業を躊躇(ちゅうちょ)して見送ることがないよう、メリハリの効いた財政運営や事業のバランスが重要だと考えている」と語った。

県債管理基金の積み立てを見送ったことについては「現時点では直ちに償還が困難になるとは考えていない。将来の負担とならないよう、財政状況を見ながら今後しっかりと積み立てたい」と述べた。