「多様な考え方への弾圧」 投稿削除求め県議を提訴 性的少数者の支援団体代表 三重

【稲森県議と県を提訴し、弁護士(右)と記者会見を開いた近藤代表=県庁で】

正体不明の第三者が短文投稿サイト「ツイッター」に投じた自身の名誉をおとしめる内容の短文に「県議会の汚点となる参考人招致」という文言を加えてリツイートしたなどとして、性的少数者への支援活動を行う一般社団法人「芙桜会」(栃木県那須塩原市)の近藤聡代表(46)が1日、稲森稔尚三重県議に投稿の削除とツイッターへの謝罪広告を求め、津地裁に提訴した。

また、近藤代表は同日、この件で慰謝料など330万円を求め、県も提訴。国家賠償法で県議が公務員に該当するためという。

訴状によると、近藤代表は昨年10月14日、県議会の差別解消を目指す条例検討調査特別委員会に性的少数者の1人として参考人招致された際、同性カップルを自治体が公認するパートナーシップ制度を巡り、稲森県議と見解の相違があったとされる。

稲森県議は同月下旬、正体不明の第三者がツイッターに投稿した、同委員会での近藤代表の言動を揶揄(やゆ)する内容の短文をリツイート。その際「県議会の汚点となる参考人招致」という言葉を書き足してリツイートしたとされる。

近藤代表はこの日、県庁で記者会見を開き、稲森県議と性的少数者への対応を巡って意見の相違があるとした上で「違う意見を言って『汚点』と切り捨てられるのであれば性的少数者の多様な考え方、生き方への否定、弾圧」と主張した。

一方、稲森県議も同日、県庁で会見を開いた。近藤代表が同委員会で述べたパートナーシップ制度に対する考えを聞き「同制度を求める人々を軽んじる言動と捉えた」とし、近藤代表を参考人として招いた自身を含む同委員会の判断を「間違っていた」と明言した。

その上で、稲森県議は「汚点」発言は「近藤氏に向けたものではなく、近藤氏を参考人招致した委員会への批判だ」と述べた。リツイートは、県議として性的少数者が抱える問題を発信する趣旨だった旨を主張。「汚点」発言については、委員会への批判なので近藤代表への名誉毀損(きそん)には当たらない考えを強調した。今後については「訴状を見て対応を検討する」としている。

近藤代表が参考人招致された同委員会の動画は、県議会のホームページから閲覧できる。