志摩マリンランド営業休止へ 3月末で、老朽化で維持困難 三重

【3月末での営業休止が決まった志摩マリンランド=志摩市で】

【志摩】近鉄レジャーサービスは29日、運営する水族館「志摩マリンランド」(三重県志摩市阿児町神明)の営業を3月31日付で休止すると発表した。飼育している海洋生物は既に別の施設と譲渡に向けた交渉を進めており、実質的な閉館とみられる。

志摩マリンランドは昭和45年3月に開業し、マンボウやペンギン、天然記念物のネコギギやアユモドキなど500種類約1万3000匹の海洋生物を飼育。ミズダコやパラオオウムガイの世界初の繁殖成功などで知られ、海女による餌付けの実演も人気を集めた。

施設の老朽化が著しく、維持管理が困難となったことが営業休止の理由。35人の従業員は、志摩スペイン村や賢島宝生苑などの系列施設で雇用を継続する方針という。

同館は伊勢志摩サミットがあった平成28年度に約16万4000人が来場。その後も15万人以上の利用を維持したが、新型コロナウイルスの感染拡大による臨時休業も影響し、本年度の来場数は約10万4000人の見込みとしている。

里中知之館長は「長年にわたって生物蒐集に協力いただいた地元の漁師さんをはじめ、お客様やスタッフなど多くの方に支えられながら営業してきた。レジャー多様化の時代となる中、老舗水族館としての役割を果たしてきたことを誇りに思う」とコメントした。

SNSで営業休止を知って急きょ駆けつけたという地元の会社員、岡田佳奈さん(24)は「小さいときに家族で来た思い出がある。伊勢志摩で遊べる場所がなくなるのは寂しい」と話し、一緒に来ていた同僚の北川真実さん(25)も「来るのは最初で最後になってしまった」と残念がっていた。

通算100回は利用したという橋爪政吉市長は「市民からはなじみの深い施設。自分も青春時代や家族と過ごした思い出があり、公的にも私的にも衝撃は大きい。観光コンテンツとしても可能性があったので本当にショック」と話していた。