同僚殺害で殺意否定 ミャンマー人実習生初公判 津地裁 三重

勤務先の食堂にある炊飯器の設定を巡り、同僚のミャンマー人塗装工エイ・テッ・ジョーさん=当時(25)=を包丁で刺して殺害したとして、殺人の罪に問われているミャンマー人塗装工カン・ジョ・テッ被告(29)の裁判員裁判の初公判が26日、三重県の津地裁(柴田誠裁判長)で始まった。テッ被告は「殺意はなく、けがをさせるつもりもなかった」とし、弁護側は傷害致死罪の適用を主張した。

検察側の冒頭陳述によると、テッ被告とジョーさんは令和元年12月、技能実習生として入国。いずれも翌月から四日市市内の同じ塗装会社で働くようになった。テッ被告はジョーさんに対し、日頃から性格の不一致を感じていたという。

検察側は冒頭陳述で、テッ被告がジョーさんと殴り合いのけんかとなり、その場にいた別のミャンマー人男性が止めるのを振り切って刃体約15・8センチの包丁でジョーさんを刺したと指摘。傷の深さは約9センチとされる。検察側はテッ被告が別のミャンマー人男性に対し「止めるならお前も刺す」と威嚇したと主張した。

一方、弁護側は「怖がらせようと思っただけで包丁が(ジョーさんに)当たるとは思わなかった。殺意は認められない」と述べた。

起訴状などによると、テッ被告は昨年2月16日夕、勤務先の食堂(同市)で、ジョーさんの背中を包丁で1回突き刺し、多量出血で死亡させたとされる。現場にはテッ被告、ジョーさん、ミャンマー人男性の3人がいた。テッ被告は現場から逃走したが、静岡県にいた妹に会って諭されて現場に戻り、同月18日に県警に逮捕された。