診療報酬不正請求112件 三重県立総合医療センター、6年間で総額数千万円

【記者会見で、診療報酬の不正請求について謝罪する新保院長(右)ら=県庁で】

三重県立総合医療センター(四日市市)は15日、産婦人科で実施した保険適用外の腹腔(ふくくう)鏡手術を開腹手術と装い、診療報酬を不正に請求した事例が平成26年4月からの約6年間で112件あったと発表した。

不正請求の総額は数千万円に上るといい、センターは東海北陸厚生局に報告した上で返還する方針。センターは昨年8月21日付で、産婦人科の60代男性参事を監督責任として文書注意の処分としていた。

センターによると、不正請求があったのは、産婦人科が実施した悪性腫瘍を切除する手術。保険診療が認められていない子宮頸(けい)がんや卵巣がんの腹腔鏡手術を開腹手術として請求したケースが40件あった。

また、保険診療が可能な腹腔鏡手術でも、国の規則で設置が義務付けられている病理医や腫瘍専門医の有資格者が不在のままで実施し、開腹手術として請求していたケースが65件あったという。

昨夏に「産婦人科で不正が行われているのでは」と内部から指摘があり、センターが第三者を交えた検証委員会を立ち上げて調査していた。腹腔鏡手術を実施したことで術後に体調が悪化したケースは確認されていないという。

また、センターでは不正請求の発覚を受け、昨年9月から産婦人科の手術を中止し、早急に手術が必要な患者は近隣の病院などに依頼するなどして対応している。早ければ来月にも手術を再開する方針。

新保秀人院長は15日の記者会見で「県民の皆さまに大変なご迷惑を掛けた。不適切な対応があったことを誠に申し訳なく思っている。県民に信頼される病院を取り戻せるよう努めていきたい」と謝罪した。

不正請求が起きた理由については「診療報酬制度に対する医師の理解が不足していた。事務部門でも医師からの請求が素通りしていた」と説明。「安全確保と事務の適正化に向けて取り組んでいる」と語った。

センターは旧海軍燃料廠付属病院を継承して昭和23年に県立病院となり、平成24年に地方独立行政法人化。県は設立団体として運営の目標策定などに関与しているほか、運営負担金も支出している。