三重県独自で「警戒宣言」 時短要請、北勢3市町が対象 酒提供飲食店など

【緊急警戒宣言の発出を発表する鈴木知事=三重県庁で】

三重県は14日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う独自の「緊急警戒宣言」を発出した。桑名市、四日市市、鈴鹿市で酒を提供する飲食店などに対し、18日からは営業時間を午後9時までとするよう要請した。鈴木英敬知事は「心苦しいお願いだが、感染爆発を食い止めるために協力を」と呼び掛けた。

県によると、緊急警戒宣言や営業時短要請の期間は政府の宣言と同じ来月7日まで。時短要請の対象は3市で酒を提供する飲食店やカラオケ店、接待を伴うスナックなど。3市で約3千店舗が対象となる見込み。

県は営業時短要請に応じた店舗に対し、協力金を支払う。金額は1日当たり4万円の計算で店舗ごとに84万円とする。総額で20数億円の支出を見込み、近く県議会に補正予算案を提出する方針。

また、県境を越える移動自粛の呼び掛けを、新型コロナ対応の特措法に基づく協力要請に位置付けた。大人数、長時間の飲食を避けるよう求めている協力要請には「ランチであっても」と追記した。

事業所に対しては、テレワークの推進などによって出勤を可能な限り半減させるよう要請。外国人を雇用する会社や外国人の生徒がいる教育機関には、感染防止策を丁寧に周知するよう求めている。

飲食店支援事業「GoToイート」の県内分は引き続き実施するが、18日から利用人数を原則として4人以下とする。子どもや介助者は人数に含めず、同居家族だけで利用する場合も対象にはしない。

鈴木知事は会見で、営業時短要請の対象とした3市について「愛知との往来が多く、特に感染状況が厳しい」と説明。営業時短の開始を18日としたことには「仕入れや雇用などの関係がある」と述べた。

また、営業時短要請の対象地域や短縮の時間を拡大する可能性について問われた鈴木知事は「感染状況次第。事業者には申し訳ないが、感染拡大防止のために必要なら躊躇(ちゅちょ)なくやっていく」と語った。

 

■関西往来の伊賀は見送り■
県が「苦渋の決断」として踏み切った飲食店への営業時短要請だが、県全域に要請した昨年とは異なり、今回は対象を北勢の3市に絞った。背景にあるのは、北勢での感染拡大や「愛知県との近さ」だ。

県によると、昨年7月4日から今月8日までに判明した保健所管内別の感染者は桑名の331人が最多。鈴鹿の295人、四日市の224人が続いた。伊勢の67人などと比べると圧倒的に多い。

また、3市のうち桑名市と四日市市では、感染者が急増する愛知県との往来が多いことも時短営業を要請する根拠となった。両市から愛知県への通勤者は約2万5千人で、県全体の約6割を占めるという。

一方、時短要請の対象外となった地域も感染状況は深刻。津と伊賀の保健所管内で昨年7月以降に判明した感染者数は、四日市市保健所管内とほぼ同数。伊賀地域は大阪府など関西とのつながりも深い。

県は伊賀地域を営業時短要請の対象に加えることも一時は検討していたというが、関西との往来は愛知県に比べて少ないことなどを踏まえて、今回は伊賀地域を対象に加えることは見送ることにした。

ただ、県は3市以外についても、感染状況次第で対象地域に加える可能性があると示唆する。鈴木知事は「大人数や長時間に及ぶ飲食などが見られれば、即座に止めに行くこともあり得る」と語った。