紀北町 水難事故に遭わないよう願い 伝統行事「息子ノ酒」 三重

【湊章男さんと杯を交わす親子=紀北町長島で】

【北牟婁郡】水難事故に遭わないよう願い、三重県紀北町の旧家・湊家の当主と男児が杯を交わす伝統行事「息子ノ酒」が11日、湊家の13代目当主、湊章男さん(88)宅であり、同町や伊勢市などから6組の親子が訪れた。

湊家の初代当主・湊治郎左衛門が江戸時代、悪さをしていたかカッパを懲らしめたところ、カッパが「湊家の一族は水難事故に遭わないようにする」と約束したという言い伝えにちなむ。漁業が盛んな同町では、男児が誕生すると1月11日に湊家を訪れて当主と杯を交わし、親子の絆を結ぶ儀式が続いている。

尾鷲市の濱口美智子さん(37)は生後8カ月の長男の昇里ちゃんと訪れた。昇里ちゃんは湊さんと杯を交わし、湊家と縁がつながった証に扇子を受け取った。美智子さんは「代々受け継がれてきた行事に参加できてうれしく思う。元気に健やかに育ってほしい」と願っていた。

湊さんは「何百年も続いている行事なので、できてほっとした。子どもが健やかに成長することを祈っている」と話した。