三重県内9市町で任期満了 首長選展望

今年は三重県内9市町の首長が任期満了を迎える。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で、候補者が屋内での個人演説会などを控え、街頭演説を中心に選挙戦を展開する動きがみられた。今年の選挙も感染拡大を防ぐための「新しい生活様式」に合わせた工夫が求められる可能性が高い。現職が引退を表明している大紀町長選では、12年にわたった谷口町政の流れの継続か、旧来からの脱却か、有権者が選択を迫られることになる。今年予定される市長町選を展望する。


■木曽岬 ― 加藤氏4選出馬に意欲

現職の加藤隆氏(75)が4選を目指して立候補を表明している。今のところ他に正式な立候補の表明はないが、短文投稿サイト「ツイッター」では匿名で立候補の意向を示す動きもあり、地元関係者らが動向を注視している。

加藤氏は昨年12月の町議会で一般質問に対し「4期目を集大成として町政を全うしたい」と述べ、続投に意欲を示した。

加藤氏は町議を3期務めた後、平成21年の町長選で初当選し、3期目。


■亀山市 ― 対抗馬擁立の動きなく
1月24日告示、31日投開票の市長選で、現時点で立候補を表明しているのは、4選を目ざす現職市長の櫻井義之氏(57)1人。ほかに立候補を予定している候補者はなく、前々回の平成25年に続き、無投票になる見込み。

昨年11月10日に立候補を表明した櫻井氏は、直面する新型コロナウイルス感染症への的確な対応▽人生百年次代への備えと若者の定住促進▽未来へのリニア構想▽災害に強い庁舎整備ーなど4期目への決意を掲げている。

櫻井氏は、関西大学卒業後、コンサルタント会社を経営し、旧亀山市議を経て、平成7年から県議を4期途中までの間、副議長など務めた。21年の市長選で初当選し、現在3期目。

 

■伊勢市 ― 保健福祉拠点整備、争点に
現時点で選挙戦に向けた目立った動きは確認されていない。現職鈴木健一氏(45)は取材に対し、「今はまだ答えるべき段階ではない。目の前のことに全力で取り組むだけ」と話すにとどまっており、動向に注目が集まっている。

20年間の長期にわたって20億円以上を支出する多額の債務負担行為を盛り込んだ同市駅前B地区再開発事業の保健福祉拠点施設整備を巡り、議会が紛糾した経緯がある。内装設計費用などを盛り込んだ補正予算案が成立し、入居する方針は決定したもの事業見通しは不透明な状況にあり、争点の一つとなり得る。

鈴木氏は平成15年から市議を2期務め、21年の市長選で初当選した。現在3期目。

 

■鳥羽市 ― 現新一騎打ちか
現職の中村欣一郎氏(62)=安楽島町=は2期目に向けて続投を表明。これに対し、元市議の小久保純一氏(63)=四日市市山分町=が立候補の意向を表明したことにより現新一騎打ちの構図となり、平成17年以来の選挙戦となる見込み。

中村氏は主な実績として水産研究所の新築移転や中央公園体育館サブアリーナの整備、答志島トロさわらの地域ブランド化などを主張し、2期目に向けて水産研究所を中心とした海洋研究拠点の充実などに取り組む意向を示している。

小久保氏は市議辞職後、民間コンサルタント会社や民間公募の朝日町教育長、青森県十和田市副市長などを渡り歩いた経験を強調し、財政健全化や教育改革の実現などを政策に掲げる。

中村氏は平成11年の市議選に初当選し、3期務めた後に23年の県議選に初当選。2期目途中で議員辞職し、29年の市長選で当選して1期目。

小久保氏は昭和57年に県庁に就職。市議補欠選挙への出馬を機に辞職し、昭和62年の市議選に初当選。3期目途中で市長選に出馬するも落選し、朝日町教育長や十和田市副市長などを経て、現在は学校法人名古屋自由学園理事。

 

■南伊勢町 ― 小山氏、表明せず
現時点で町長選に向けた目立った動きはみられず、3期目の現職小山巧氏(69)の動向に注目が集まっている。小山氏は取材に対し、「まだ答えるべきときではない。いずれタイミングが来た時に表明したい」と話している。

小山氏は県政策部副部長や環境森林部長、病院事業庁長などを経て平成21年に初当選した。

 

■大紀町 ― 継続の服部氏、脱却の柏木氏
現職の谷口友見氏(81)が今期限りでの勇退を表明。代わって後継指名を受けた元副町長の服部吉人氏(62)=大内山=と、対抗馬として元町議の柏木昭人氏(65)=滝原=が立候補を表明。谷口町政を引き継ぐとみられる服部氏と、旧来からの脱却を主張する柏木氏とが争う新人同士の一騎打ちとなる公算が高い。

服部氏は旧大内山役場に就職後、町村合併を経て平成17年から令和2年まで町役場に勤務し、教育長や副町長を務めた。柏木氏は平成21年の町議選で初当選し、4期目途中で議員辞職しての出馬となる。

 

■紀北町 ― 尾上氏を含め出馬表明なし
現職の尾上壽一氏(66)を含めて現時点で誰も出馬を表明していない。

尾上氏は、合併前の旧海山町議を3期と紀北町議を1期務めた。平成21年10月の町長選で初当選。前回町長選は無投票で再選し、現在3期目。

尾上氏は前回の選挙では、町議会3月定例会で出馬を表明している。

 

■尾鷲市 ― 中電跡地活用など争点
現職の加藤千速氏(72)は昨年11月の定例記者会見で、立候補の意思を問われ「4年間の集大成として市民に約束したことや重要案件をきちんとまとめあげなければならない」と述べるにとどめた。

加藤氏は平成29年6月の市長選で元市議と一騎打ちの末、初当選を果たした。今のところ、ほかに出馬を表明している人はいないが、選挙戦になれば、平成30年12月に廃止した中部電力尾鷲三田火力発電所跡地の活用や広域ごみ処理施設の建設、市立尾鷲総合病院への放射線治療装置(リニアック)の導入などが争点となりそうだ。

 

■熊野市 ― 河上氏、態度保留
現職の河上敢二氏(64)は昨年11月の定例記者会見で出馬の可能性を問われ「今の時点で全く何も考えていない」と述べた。現時点でほかに目立った動きはない。

河上氏は、平成10年11月の旧熊野市長選挙で初当選し、合併前の旧熊野市を合わせて6期目。前回市長選では、多選批判を受けて河上市長を含む4人が出馬した。