伊勢市議会 駅前再開発の予算案可決 複合ビルに保健福祉拠点 三重

【伊勢市駅前B地区再開発事業に関する補正予算案の採決に臨む議員ら=伊勢市議会議場で】

【伊勢】三重県の伊勢市議会12月定例会は23日、本会議を再開し、議案37件と発議3件を原案通り可決して閉会した。伊勢市駅前B地区再開発事業に絡み、市の保健福祉拠点施設の入居に向けて、内装設計委託料や債務負担行為を盛り込んだ一般会計補正予算案は賛成多数(賛成19、反対4)で可決された。

補正予算案では、民間開発会社主導で建設中の複合ビル(12階建て)への保健福祉拠点施設入居に向けた内装工事の設計委託料1530万円のほか、債務負担行為として20年間の賃借料22億6330万円を計上した。

討論では、楠木宏彦(日本共産党)、品川幸久(政友会)、宿典泰(政友会)の3議員が反対。このうち品川議員は「苦しみ悩む人を集めてにぎわいとは考えられない」とし、宿議員も「市が公共の立場で入居するのはリスク。計画はほとんど破綻している」などとして、計画見通しの甘さや議論の不十分さを指摘した。

賛成の立場からは鈴木豊司(洗心)、野口佳子(志誠会)、中村功(志誠会)、世古口新吾(勢風会)、宮﨑誠(新政いせ)、野﨑隆太(政友会)の6議員が登壇。鈴木議員は「社会福祉に関する重層的な支援体制を求める法改正の趣旨を踏まえ、切れ目ない福祉サービスの実現と共ににぎわいが生まれることを願う」とし、中村議員は「式年遷宮を契機としたにぎわいを今後どうつなげるか。周辺の観光や飲食への効果も期待できる」などと主張した。

一方、野﨑議員は賛成の立場ながら「本来のスケジュールから遅延を重ね、供用開始できる状況に至っても1年以上は空っぽのまま。市民不在と言われても仕方ない。行政や議会、施工者それぞれに反省すべき大きな課題を露呈させた」として、これまでの議論の在り方に批判をにじませた。

議決に併せて上村和生議員(新政いせ)は「政策には賛同するが、検討すべき課題は残されている」と述べ、拠点施設の連携や複合ビルの将来的な健全運営、事業内容や費用対効果に関する十分な説明などを市当局に求める付帯決議案を提出。賛成多数(賛成19、反対4)で可決された。

市は今後、令和4年度の供用開始を目標に年明けから設計業務に入り、開発業者との基本協定や収支確保のための保留床売却に向けた公募を進めていく。

鈴木健一市長は「平成28年度から状況を報告して議論を重ねてきた結果と認識している。付帯決議という形で議会からの意見は真摯(しんし)に受け止め、しっかり対応できるよう頑張っていきたい」と話した。