津 コロナで日本経済敗戦 ジャーナリスト山田氏講演 

【講演する山田氏=津市大門で】

【津】伊勢新聞政経懇話会12月例会が21日、三重県津市大門の津センターパレスであった。ジャーナリストで作家の山田順氏(68)が「コロナ後の世界&日本経済」と題して講演し「コロナで日本が敗戦した」と経済展望に悲観的な見方を示した。

山田氏は新型コロナウイルス感染症への対応について「日本ははっきり言ってワクチンで惨敗した」と指摘。対象者を意図的に感染させる「ヒトチャレンジ治験」などでワクチン開発を加速させる欧米諸国は「日本のようにのんびりしていない」と述べた。

国内の経済情勢について「雇用調整助成金や無担保の融資制度があるため、中小企業はなんとか持ちこたえて倒産しないで済んでいる」と説明。年明けに助成金や融資制度の期限を迎えることから「来年4月から不況が本格化するのではないか」と懸念した。

コロナ禍の不況でも日経平均株価が上昇している理由を「日本銀行などが日本株を買っているから。個人はほとんど買っていない」と分析。日本株の買い支えを続ける日銀に対し「出口戦略がない。国債だらけになり、金利が危ない状況」と危機感を示した。

その上で、政府の経済支策を「成長産業に資金を投じ、飲食業には補償するなど大胆にやるべきだった」と批判。実質GDPがコロナ流行前の水準を回復するには2023年までかかるとされる予測を示し「本当に頑張らなければならない」と訴えた。

山田氏は横浜市生まれ、立教大卒。昭和51年に光文社に入社し、女性週刊誌「女性自身」の副編集長などを歴任。平成14年に「光文社ペーパーバックス」を創刊し、編集長を務める。22年からフリーランスに。新著「コロナ敗戦後の世界」(MdN新書)