自然環境影響を懸念 布引山地風力で三重県知事意見

三重県は18日、津、亀山、伊賀の3市にまたがる布引山地で風力発電所の建設を計画する事業者の環境影響評価準備書に対する知事意見を公表した。自然環境への影響に懸念を示し「低減できない場合は、事業の中止や規模の縮小を含めた検討を行うこと」を求めた。

県環境影響評価委員会からの答申や3市長からの意見などを踏まえて知事意見を作成し、18日付で経産相に送付した。経産相は知事意見などを踏まえて準備書を審査し、事業者に勧告する。

知事意見では、布引山地には絶滅危惧種のクマタカなど希少生物が生息していると説明。多数の風力発電機が稼働していることを踏まえ「地域の自然環境に及ぼす累積的な影響が懸念される」との見解を示した。

その上で、これまで事業者に「環境影響を整理し、事業内容を検討するよう」求めてきたと説明。準備書に対し「事業を実施する必要性について合理的な説明がなされているとはいえない」と主張した。

地元住民らから要望書や署名が提出されたことにも触れ「地域住民との合意形成が図られているとは言えない」と指摘。「事業者の責務として、理解を得るため最大限の努力を払う必要がある」としている。

県によると、事業は「シーテック」(本社・名古屋市)が計画。風力発電機28基を設置する予定で、総出力は最大6万4千キロワットになる見込み。布引山地では青山高原を中心に87基が稼働している。