伊勢市、宮川漁協の助成金廃止 本年度限りで 「支出根拠説明できない」 三重

【伊勢】宮川の伏流水を上水として取水していることを理由に、三重県伊勢市が宮川漁協(同市)に支出していた漁業助成金について、市は本年度限りで廃止する方針を固めた。取水による漁業被害が確認されていないことを受け、市上下水道部の中村高弘部長は「支出根拠を説明できない」と語った。不透明な公金支出の問題は県や桑名市でも判明している。「説明できない」と明言し、支出を取りやめた伊勢市の判断は他の自治体にも影響を与えそうだ。

市によると、昭和52年から宮川沿いにある同市中須町の水源地で伏流水を上水用に取水しているという。市は水源地の建設工事が始まった50年12月、漁協と協定を締結。「漁業に影響を与える予測の上に立って毎年定期的助成を行う」とし、取水量に応じて助成金を支出した。支出は53年度から始まったとみられ、記録が残る平成22年度―本年度は計約680万円を支出した。

水道事業収入の減少に伴い、市は財政計画の見直しを進めており、漁協への助成金打ち切りはその一環でもあるという。中村部長は「取水と漁業被害の因果関係が立証されない以上、支出は市民の理解を得られるとは思えない」と話した。

支出打ち切りの背景には、桑員河川漁協の前組合長が県発注公共工事の受注業者に対する恐喝容疑で県警に逮捕された事件があるという。中村部長は「支出の見直しを図る中で起きた事件なので廃止を決める上で影響はあった」と説明した。

一方、桑名市が桑員河川漁協に補償金などの名目で支出していた金や、県が伊賀川漁協にだけ払っていた工事の立会いに伴う報償費も支出根拠が明らかになっていない。いずれも本年度限りで支出を廃止する方針だが、支出の経緯などは明らかになっておらず、説明責任を果たすことが求められている。