漁協恐喝事件 被害企業への謝罪求める 稲森県議が県に申し入れ書 三重

【真弓理事(手前)に被害企業への謝罪などを盛り込んだ申し入れ書の趣旨を説明する稲森県議=三重県庁で】

三重県発注の公共工事を巡る桑員河川漁協(東員町)前組合長の恐喝事件で県の関与が明らかになったことを受け、稲森稔尚県議が16日、鈴木英敬知事宛てで不当要求の根絶に向けた申し入れ書を県庁に提出した。稲森県議は「一番悪いのは前組合長だが、県が業者に漁協へ工事説明に行くよう指示しなければ事件は起きなかった」と指摘し、県に被害企業をはじめ関係者に謝罪するよう求めた。

県警によると、前組合長の川﨑幸治被告(61)=別の恐喝未遂罪で公判中=は平成26年、同町の漁協事務所などで、県発注工事の施工業者の役員らに「工事をするなら協力金をもらわなあかん」などと脅し、現金約50万円を脅し取った疑いがある。

業者は県警の調べに「県の指示で漁協へ行き、被害に遭った」と供述。県は事実関係を調査し、指示があったことを確認した。調査では県の指示で漁協へ行き、恐喝被害に遭った公共工事の受注業者が他にも複数いたことが判明。業者が発注者である県の意向をくみ、前組合長の求めに応じて協力金を支払うことで、法的根拠のない協力金名目の不当要求が成立した経緯が明らかになっている。

稲森県議はこの日、県土整備部の真弓明光理事に被害企業への謝罪など4項目からなる申し入れ書を手渡した。「ここが最も大事」と強調し、不当要求に長年悩まされてきた業者には「県に相談しても取り合ってもらえなかった」企業が複数あることを紹介。事件を受け、県が再発防止策を示したことについて「過去の反省や検証もせず、上っ面だけ取り繕っても誰も信用しない」と批判した。

真弓理事は「協力金の存在は把握していたが、工事説明の指示が金銭の支払いに直結していたことは知らなかった」と釈明。稲森県議の「誰も信用しない」という指摘を受け、再発防止策を検討する上で「建設業者の声を聞いていく」と話した。

申し入れ書の項目は被害企業への謝罪▽被害企業からの相談を県が黙殺した事実があるかを全県的に確認▽公判中の恐喝未遂事件で桑名市が被害企業に漁協から工事の承諾を得るよう求める根拠となった県議会採択の請願に基づく行政指導の見直し▽県内の内水面漁協の協力金総額で、県発注工事の受注業者が支払った協力金の金額、件数、割合。稲森県議は21日までに文書での回答を求めた。