三重県議会常任委 修学旅行補助金なし 来年度、県の財源が不足

【当初予算要求状況の説明を受ける総務地域連携常任委=三重県議会議事堂で】

三重県議会は16日、総務地域連携、防災県土整備企業、医療保健子ども福祉病院の各予算決算常任委員会分科会を開いた。県は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて修学旅行を県南部で実施する学校に補助金を出す制度について、来年度は実施の予定がないことを明らかにした。財源不足を理由に挙げて「別の方法で支援したい」と説明。委員らは「評価の高い制度だ」として継続を求めた。
■保健所、全庁的にカバー ― 〈総務地域連携=野村保夫委員長(9人)〉
県内の修学旅行を支援する制度は、県外への修学旅行を見合わせる学校が相次いだことを受けて7月から実施し、県内の424校が申請した。

【修学旅行】
中嶋年規委員(自民党県議団、5期、志摩市選出)は制度について「高く評価され、継続を求める声も上がっている」とし、継続の費用を来年度予算に要求しなかった理由を尋ねた。

横田浩一南部地域活性化局長は「本年度は国の交付金を使うことができたが、継続は非常に難しい。別の形で支援したい」と説明。国が新たな交付金を計上した場合は活用を検討する考えを示した。

【勤務状況】
新型コロナウイルス感染症の対応に追われる保健所の職員について、中村進一委員(新政みえ、7期、伊勢市)は「勤務状態は大丈夫なのか。健康管理を徹底してほしい」と求めた。

紀平勉総務部長は「一定の部署に仕事がたまっているが、人事異動や採用の前倒し、併任などで全庁的にカバーする体制を取っている。休みを取得してもらえる環境を作るため、全力で取り組む」と説明した。
■避難経路を電子データ化 ― 〈防災県土整備企業=藤根正典委員長(8人)〉
防災対策部は、自宅から避難所までの経路を電子データにして表示するシステム「Myまっぷラン+」を来年度中に県内全域で運用する方針を示した。

【避難経路】
県によると、システムは避難経路の検討を支援するために開発。鳥羽、亀山両市でシステムを試行的に運用している。被災想定区域などのデータも組み込んで運用を始めるという。

杉本熊野委員(新政みえ、4期、津市)は、システムの普及に向けた取り組みを尋ねた。県当局は「年度内に市町の担当職員や防災人材にシステムを紹介する」と説明した。

【白線】
県土整備部は、来年度当初予算に道路維持管理事業として約66億円を要求していると報告。道路上の白線を引き直すための費用や、太平洋岸自転車道の整備などに充てる考えを示した。

田中祐治委員(自民党県議団、2期、松阪市)は、引き直しの位置が地元の要望とは異なると指摘。県当局は「極めて剥離が進んだところを優先して直しているため、地元の要望と乖離が出ている」と説明した。
■地域医療構想の議論を ― 〈医療保健子ども福祉病院=奥野英介委員長(9人)〉
新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた非常時の医療提供体制を、人口減少や高齢化に応じて病床数を調整する地域医療構想の議論に盛り込むよう求める声が委員から上がった。

【地域医療構想】
県によると、新型コロナの患者は急性期の病院が受け入れている。一方、現行の地域医療構想は多くの病院に対し、令和7年までに病床を急性期から回復期に転換するよう求めている。

これに関連し、田中智也委員(新政みえ、3期、四日市市)は「新型コロナウイルスの感染拡大を受けて有事の対応に関する議論が必要。地域医療構想の議論をどう進めていくのか」と尋ねた。

加太竜一部長は「急性期病床の病院に新型コロナの対応をしてもらっている。急性期病床を従来の形のまま減らして良いのかという議論は当然していく必要がある」と述べた。