桑員河川漁協へ説明、工事業者に指示 県の事件関与認める 三重

三重県発注の公共工事に絡み、桑員河川漁協(東員町)の前組合長=別の恐喝未遂罪で公判中=が施工業者から協力金などの名目で現金約50万円を脅し取ったとして県警に恐喝容疑で逮捕された事件で、県は15日、本紙の取材に対し、業者に漁協へ工事説明に行くよう指示し、事件が起きたことを認めた。県土整備部の真弓明光理事は「責任を感じている」とし、県の事件への関与や非を認めた。

この事件を巡っては、業者が県警の調べに「県の指示で漁協へ行き、被害に遭った」と供述していた。事件を受け、県は事実関係を調査。真弓理事は工事を発注した北勢流域下水道事務所の担当者に聞き取りを行い、指示があったことを確認したという。

県はこれまで、県発注の公共工事のルールを定めた特記仕様書に「工程に関し、事前に桑員河川漁協へ説明に行くこと」と記していた。真弓理事によると、この特記仕様書に従い、業者に対して同漁協へ工事説明に行くよう求めていたという。

県警によると、前組合長の川﨑幸治被告(61)は平成26年8月―9月、東員町の漁協事務所などで3回にわたり、施工業者の役員らに「工事をするなら協力金をもらわなあかん」などと脅し、約50万円を脅し取った疑いがある。逮捕時、川﨑被告は容疑を否認していた。

一方、県は川﨑被告が逮捕された事件とは別に、複数の県発注公共工事の受注業者から聞き取りを実施。「県の指示で漁協へ行き、意に沿わない協力金の支払や前組合長から求められた会社を下請に使わざるを得なかった」という事案が複数あったことを把握した。真弓理事は「県の指示で複数の業者が被害に遭い、責任を感じている」と話した。業者への謝罪については「検討中」という。

川﨑被告を巡っては、桑名市内の民間の宅地開発工事を巡り、業者から金を脅し取ろうとしたなどとして、恐喝未遂罪などで起訴され、公判が続いている。業者は市から漁協の承諾を得るよう求められて被害に遭った。市は非を認め、業者に謝罪する意向を示している。