新館長に飼育員の田村さん 伊勢シーパラ、トドもお祝い 三重

【トドの小鉄から新館長就任をお祝いされる田村さん=伊勢市二見町江の伊勢シーパラダイスで】

【伊勢】三重県伊勢市二見町江の水族館「伊勢シーパラダイス」で11日、今年6月に新館長に就任した海獣担当の飼育員、田村龍太さん(44)の就任式があった。同館にとって現場を熟知する海獣飼育員が館長になるのは初めて。田村さんは「これからも人と動物たちが共存できる空間作りを目指して頑張っていきたい」と意気込んでいる。

大阪府東大阪市出身の田村さんは、子供の頃に見たイルカショーをきっかけに飼育員を目指した。専門学校時代に実習で訪れた同館のふれあい展示を見て衝撃を受け、「絶対に伊勢シーパラダイスに就職する」と決めて平成8年に入社。セイウチやトド、アシカなどを担当した。

国内で初めて雄のトドが飼育舎の外に出て来館者と触れ合うイベントや、カワウソの生態と習性を生かし、飼育舎に取り付けた塩化ビニール製のパイプを通してツメナシカワウソと握手ができる体験なども発案。来館者と動物が双方向で楽しめる水族館の実現に向けて努力を重ねてきた。

また、ツメナシカワウソの人工保育や仮死状態で生まれたカリフォルニアアシカの救命措置を成功させたほか、同館のブログやユーチューブ公式チャンネルで動物の魅力を発信する。

就任式では、同館を運営する伊勢夫婦岩パラダイスの小山毅志社長が辞令書を手渡し、「先輩が発案し発展させてきた柵無しふれあい展示をしっかりと継承し、来館者に喜んでもらえる新たな魅力づくりにチャレンジしてほしい」と激励。後輩飼育員らはお菓子や花束を渡して祝福し、トドの小鉄も飼育舎から出てお祝いした。

今後は後進の育成にも力を入れていくという田村さん。「後輩には、動物がショーをやらされるのではなく自分から生き生きとやってくれるように対等な関係を築いてほしい」と話した。