三重県議会常任委 ゆめドーム売却へ 財政負担軽減、4年度にも

【「県立ゆめドームうえの」の売却方針について説明を受ける総務地域連携常任委=三重県議会議事堂で】

三重県議会は10日、総務地域連携、防災県土整備企業、教育警察の予算決算常任委員会と各分科会を開いた。県は県立ゆめドームうえの(伊賀市ゆめが丘一丁目)を民間に売却する方針を示した。財政負担の軽減が理由で、入札を経て令和4年度にも売却したい考え。一方、売却先が見つからない場合は、施設の改修や維持を含めて民間に運営を任せる「PFI方式」を採用する方針。


■売却後も県民利用検討 ― 〈総務地域連携=野村保夫委員長(9人)〉
 県は「県立ゆめドームうえの」を売却した後も、県民が一定の割合で施設を利用できるように契約内容を検討するという。これに対し、委員からは「よほど慎重に考えるべき」との指摘が上がった。

【民間移譲】
同施設は、新都市開発整備事業「ゆめぽりす伊賀」の核となる施設として平成9年12月に開所した。2つの屋内競技場やトレーニング室などを備え、利用者は年間約12万人。平成29年度からは民間に管理を委託している。

一方、今後20年間の財政負担が約32億円と試算され、利用者の地域性にも偏りがあることなどを踏まえ、県は運営の見直しを検討していた。昨年度は伊賀市に無償譲渡を打診したが、「多大な維持管理費のため、授受は困難」との回答を受けたという。

県はコンサル会社を通じた調査で、企業から「施設を購入したい」との返答があったことを踏まえて売却の方針を決定。売却後も県民が一定の割合で利用できることを契約の条件とし、違反した場合は施設を買い戻す特約を盛り込むことも検討している。

中嶋年規委員(自民党県議団、5期、志摩市選出)は「いくら買い戻しの特約を設けても、民間は自社の福利厚生を中心に考える。よほど慎重に考えるべき」と指摘。大西宏弥地域連携部長は「県民も使えるように契約の細かい部分を調整したい」と述べた。


■感染症回避の避難場所 「自宅」最多 ― 〈防災県土整備企業=藤根正典委員長(8人)〉
 県は本年度に実施した防災に関する県民意識調査で、感染症のリスクを踏まえて避難所に代わる安全な場所を尋ねる問いに対し「自宅で安全を確保する」という回答が最も多かったと報告した。

【県民意識調査】
調査は県の防災対策に活用するため、平成14年度から実施。県内の18歳以上の5千人を対象に郵送で依頼し、10月5―23日に62・6%に相当する3131人から回答があった。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、本年度は感染リスクを踏まえた避難所以外の避難場所を尋ねる質問を新たに加えた。「自宅で安全を確保する」との回答が51・5%と最多だった。「親戚宅や知人宅」「ホテルなどの宿泊施設」が続いた。

【総合防災訓練】
県は伊勢市、玉城町、度会町と合同で11月に開催した総合防災訓練の結果を説明。コロナ禍で訓練の参加者を限定したため、女性の参加者が少なく、避難所運営に女性の視点を取り入れることができなかった点を課題に挙げた。

杉本熊野委員(新政みえ、4期、津市)は「避難所のレイアウトで女性に配慮しているところを見たことがない。女性の視点を避難所運営で生かしてほしい」と要望。日沖正人防災対策部長は「図上訓練にも女性にたくさん参加してもらうことで避難所運営に生かしたい」と述べた。


■学び直し教室開催へ ― 〈教育警察=濱井初男委員長(8人)〉
 県教委は夜間中学のニーズや課題を検証するため、来年度中に、県内の複数の市町で「学び直し教室」を開催する方針を示した。開校する場合、令和5年度から2年かけて設置の準備を進める。

【夜間中学】
県教委は約2年かけて学び直し教室を数カ月間、週2回ほど開き、希望者に一部の教科の学び直しを体験してもらう。夜間中学の教育内容や授業の実施方法を検証。設置主体や設置場所、受け入れ対象者などを検討する。

稲垣昭義委員(新政みえ、5期、四日市市)は「(夜間中学の開校までに5年近くかかるのは)時間をかけ過ぎではないか」と指摘した。

県教委事務局は「教育課程に必要な施設や設備を検討する必要がある」とした上で、開校する場合は令和7年度以降となる見通しを示した。

【鈴鹿青少年センター】
県教委は鈴鹿市住吉町の集団宿泊研修施設「鈴鹿青少年センター」について、施設整備や運営を民間に委ねる「PFI方式」を導入する考えを示した。事業者を選定し、来年12月に契約を結ぶ。

センターと隣接する県営公園「鈴鹿青少年の森」の一体的な運営を委託。建設から35年以上経過したセンターの改修も含めて任せる。ほかに収益性の高い店舗や施設の設置も促す。4年9月にはリニューアルオープンも求める。