三重県議会常任委 感染予防計画の改正案 平時から療養施設確保

【県感染症予防計画の改定案について説明を受ける医療保健子ども福祉病院常任委=三重県議会議事堂で】

三重県議会は9日、戦略企画雇用経済、医療保健子ども福祉病院の各常任委員会と予算決算常任委の両分科会を開いた。医療保健部は医療保健子ども福祉病院常任委で、感染症予防計画の改定案を示した。新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、平時から宿泊療養施設の確保や感染者への差別を防ぐ取り組みに努めると追記。月内に改定する。また、県議会は同日に予定していた環境生活農林水産常任委について、環境生活部が入る県庁8階で感染者が確認されていることを受けて17日に延期した。
■県立大ニーズ調査へ ― 〈戦略企画雇用経済=木津直樹委員長(7人)〉
 戦略企画部は県立大を設置する是非の検討に向け、来年度中にも県民へのニーズ調査を実施する考えを示した。検討の参考にするため、他県の県立大から情報収集を進めていることも明らかにした。

【県立大学】
ニーズ調査は県内の高校生を対象に実施する予定。県内での進学を希望するかや、志望する学部などを尋ねる。来年度当初予算の編成に当たり、調査費として700万円を要求している。

また、直近の約10年間に開学した新潟県立大、長野県立大、叡啓大(広島県)に対し、開学の経緯などを尋ねている。調査結果や有識者の意見を踏まえ、来年度中には設置の是非を判断したい考え。

中森博文委員(自民党県議団、5期、名張市選出)は、戦略企画雇用経済常任委で視察した会津大(福島県)を検討の参考にするよう要請。「人気の大学だった。ぜひ研究の一つにしてほしい」と求めた。

一方、三谷哲央委員(新政みえ、7期、桑名市・桑名郡)は「会津藩は戊辰戦争で負けて藩校がなく、県立大の設置は120年余の悲願だった。三重では県民合意があると考えているのか」と尋ねた。

県当局は「来年度予算の議論中で断定的には言えないが、県立大の設置に対する県民のニーズを把握した上で、有識者の意見も踏まえて総合的に勘案しながら設置の是非を議論したい」と返答した。
■コロナ自宅療養をサポート ― 〈医療保健子ども福祉病院=奥野英介委員長(9人)〉
 県が病床の不足を防ぐため、新型コロナウイルス感染症の無症状患者などを自宅療養させる方針を示したことに対し、委員からは家庭内感染を懸念する意見が出た。

【自宅療養】
県は4日に開かれた新型コロナウイルス感染症対策協議会で、無症状や軽症の患者を自宅療養させる方針を決めたと報告した。

舟橋裕幸議員(新政みえ、7期、津市選出)は自宅療養中の患者から家庭内で感染が広がることを懸念し「家族としての心得をきちんとしおりにまとめて指導するのが必要ではないか」と指摘した。

田辺正樹医療政策総括監は「自宅療養のしおりを渡し、県や市町から食糧を提供するなど外出せずに療養期間を過ごせるようサポートする。意見を参考にしおりの内容を詰める」と述べた。

【感染症予防計画】
県は感染症予防の施策をまとめた感染症予防計画の改定案を説明した。改定は平成28年3月以来で、4回目。提出中の県感染症対策条例案に合わせ、感染症患者の差別防止や感染症の発生予防を図る。

基本的な事項に「人権の尊重・差別の禁止」の項目を加え、県や市町が感染症患者らへの差別を解消するため、正しい知識の普及に努めると明記。症状が軽快した人の受け入れ先として宿泊療養施設を平時から確保することも盛り込んだ。