友好のカヌー進む パラオから24年前に寄贈 水産高、島サミットでの披露計画

【現状確認のため、カヌーの進水試験に臨む参加者ら=志摩市の県立水産高校で(同校提供)】

【志摩】来年三重県志摩市で開催予定の太平洋・島サミットに向け、志摩市志摩町和具の県立水産高校(水谷正樹校長)で5日、故クニオ・ナカムラ元パラオ大統領から友好の証しとして24年前に寄贈された木造カヌー「ツクヨミ」の現状確認のための進水試験があった。

パラオ共和国は同サミット参加国の1つ。同校は同サミットでツクヨミを展示し、生徒らがカヌーを使って学習している様子をサミット参加者らに披露することを計画している。

ツクヨミは全長約7.5メートル、幅約2.6メートル、重さ約700キロの4人乗り。県とパラオとの友好提携に伴い平成8年に県が寄贈を受けた。

ツクヨミは、パラオ高校と姉妹校提携を結んだ県立水産高校で保管されていたが、平成27年にNPO法人「日本航海協会」からの申し出を受け、県がカヌーの修繕を協会に依頼。宮崎県での2年間の修繕を経て、協会会員らが修繕したカヌーに乗って海路で三重へと返却に向かったが、途中で水漏れが発生したために断念を余儀なくされた。その後、神戸から陸路で令和元年8月に同校に返却された。

同校は志摩市での同サミット開催決定を受けて、パラオとの友好の再確認として生徒に操船技術を学んでもらい、その様子を同サミットを通じて伝えようと、今回再修繕を決めたという。

この日の進水試験を前に、4日から日本航海協会の奥知樹理事長(54)をはじめ会員4人が応急修繕を実施。5日は同校の教員6人も参加し、同校前の和具浦でツクヨミを浮かべて会員から操船技術などの指導を受けた。

今後は同校で本格的に修繕する。また昨年はパラオ高を訪れて交流した水産高生だが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響により、オンラインで両校をつないで授業をし、パラオ高側にツクヨミの現状を伝えるなど交流する予定という。

水谷校長(55)は「歴史や人の思いを知り、後世に伝える任を子どもらに託したい。しろちどり(同校実習船)と共に本校のシンボルとしていけたら」と話していた。