開業医に有罪判決 強制わいせつ致傷 津地裁裁判員裁判、立場悪用「かなり悪質」 三重

経営する医院で製薬会社の女性MR(営業職)=当時(30)=にわいせつな行為をし、左目に全治不能のけがをさせたとして、強制わいせつ致傷の罪に問われた三重県松阪市石津町、まんのう整形外科院長、萬濃裕司被告(53)の裁判員裁判の判決公判が4日、津地裁であり、柴田誠裁判長は懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年)の有罪判決を言い渡した。柴田裁判長は、萬濃被告が医師の立場を悪用したことを指摘し「かなり悪質」と断じた。萬濃被告は即日控訴した。

判決理由で柴田裁判長は「被告人は不合理な弁解をし、反省が十分でない」と指摘。弁護側は最終弁論で、萬濃被告が女性の胸を触ったり、股間を顔に押し付けようとした行為を否定して無罪を主張し、女性への一連の行為については「おふざけ」と述べていた。

さらに、柴田裁判長は「被害者が嫌がっていることを認識していたが、製薬会社のMRが大口顧客である被告人の機嫌を損ねる強い拒絶の態度をとることが難しいことに乗じ、大ごとになることはないと高をくくり、わいせつ行為を常習的に繰り返す中で本件犯行に至った」と批判した。

一方「胸や性器を直接触るなどのわいせつ行為に及んでおらず、比較的軽微な行為にとどめていた」とし、萬濃被告が女性に慰謝料として2500万円の供託金(女性は受け取っていない)を用意したことにも触れ「刑の執行を猶予するのが相当」と述べた。

判決によると、萬濃被告は平成27年3月24日午後1時ごろから1時半ごろまでの間、同市松崎浦町の同医院診察室で、丸椅子に座っていた女性MRの胸を触り、額にキスをし、女性の顔に股間を押しつけようとした。女性は避けようとして椅子から転落し、左目付近を床に打ち付けたことでまぶたが十分に開かなくなり、視野が狭くなったほか視力も落ちた。