開業医に懲役3年求刑 強制わいせつ致傷で検察側 津地裁裁判員裁判 三重

経営する医院で製薬会社の女性MR(営業職)=当時(30)=にわいせつな行為をした上、左目に全治不能のけがをさせたとして、強制わいせつ致傷の罪に問われているまんのう整形外科院長、萬濃裕司被告(53)=松阪市=の裁判員裁判の論告求刑公判が30日、三重県の津地裁(柴田誠裁判長)であり、検察側は懲役3年を求刑した。弁護側は無罪を主張。判決は12月4日に言い渡される。

論告で検察側は「医師の立場を悪用し、嫌がる女性にわいせつな行為を繰り返した。事件の約2カ月前から女性が医院を訪問するたびに常習的に繰り返した末の犯行。(目のけがで)女性の容貌に変化を与えた」と指摘。萬濃被告は女性に慰謝料として2500万円の供託金を用意したが、女性は受け取っておらず「現金ほしさからの虚偽申告ではない」と強調した。

弁護側は最終弁論で「額にキスをしただけ。ふざけて指でつついた際、避けようとした女性が椅子から転落した」と主張。さらに「録音の中で、女性が被告の行為を拒絶する際、笑い声が混じっていて緊迫感がない。被告は性的暴行を加えておらず、強制わいせつに当たらない」と述べた。

最終意見陳述で萬濃被告は「セクハラの認識が浅さく、軽率な行為で女性の左目に大きなけがを負わせてしまい、深い謝罪と反省を申し上げる」と涙声で述べた。また、別の製薬会社の女性MRに尻を触るなどのわいせつな行為をしたことを認め「他人の気持ちを察せられる人になると誓う」と語った。

起訴状によると、萬濃被告は平成27年3月24日午後1時5分ごろから約15分間、同市松崎浦町の同医院診察室で、丸椅子に座っていた女性MRの胸を触り、額にキスをし、股間を顔に押し付けようとしたとされる。女性は避けようとして椅子から転落。左目付近を床に打ち付けてまぶたが十分に開かなくなり、視野が狭くなって視力が落ちたとされる。