資料に外来語が散見 三重県議会一般質問 県「新しいワード周知も大切」

三重県議会11月定例月会議は30日、野口正(自民党県議団、2期、松阪市選出)村林聡(自民党、4期、度会郡)奥野英介(草莽、4期、伊勢市)山本里香(共産党、2期、四日市市)山内道明(公明党、2期、四日市市)の5議員が一般質問した。村林議員は県の資料に専門的な外来語が散見されるとした上で「県民に知ってもらいたいものは日本語で書くべき」と指摘。これに対し、県当局は「新しいワードを広めることも大切」と説明しつつ、分かりやすい表現に努める考えを示した。
■部活動の指導体制は ― 野口 正議員(自民党県議団)
中学校や高校の部活動の指導体制を尋ねた。県教委は教員の働き方改革と部活動の質の向上を両立させるため、部活動のあり方について検討するための委員会を10月に立ち上げたと説明した。

【部活動】
野口議員 学校での部活動は減少していると聞く。生徒数の減少による人員確保の問題や指導する教員の仕事の関係による時間的な余裕のなさが原因という。部活動の現状について聞きたい。

木平教育長 生徒の減少によりチームで行う部活動が難しくなっている。新たに地域人材を外部指導員として配置し、指導体制の充実を図っている。10月に有識者や関係団体の代表者による部活動のあり方を話し合う場を立ち上げた。

【経営支援】
野口議員 新型コロナウイルス感染症の影響を受ける県内企業の生き残り政策について聞きたい。政府が助成しているが、企業を取り巻く経営環境は大変厳しい。事業の立て直しや再生に向けた支援が必要。県として中小企業・小規模企業をどう支援するのか。

廣田副知事 中小企業・小規模企業の事業継続を下支えするため、年末や年度末の資金繰りについて金融機関と連携し、万全の対策を講じる。感染症のリスクを意識した企業活動を行わざるを得ない状況のため、新たな技術でビジネスモデルを確立し、売り上げを回復できるよう支援する。
■医療現場処遇改善を ― 村林 聡議員(自民党)
コロナ禍で勤務する看護師から「冬のボーナスを区切りに退職する」との声が上がっているとして、現場の処遇改善を求めた。鈴木知事は医療従事者に慰労金を支給したことなどを紹介し、今後も支援に努めると説明した。

【処遇改善】
村林議員 看護師からは「冬のボーナスが出ないのでは」といった不安や「冬のボーナスを区切りにやめる」という悲痛な声が上がる。人間には休みも必要。医療従事者が報われる処遇を、どのように実現していくのか。

鈴木知事 自らの感染に対する不安と恐怖を抱えながら最前線で尽力する医療従事者に敬意を表する。県は医療従事者に対する感謝と応援のメッセージを募ったほか、5万人の医療従事者に慰労金を支給した。引き続き最大限の尽力をしたい。

【片仮名】
村林議員 県の資料に片仮名言葉や横文字が含まれている。少なくとも県民に知ってもらいたいものは日本語で書くべき。県議会に示す資料も同じ。日本語に概念があるものは、片仮名ではなく日本語を使うよう取り決めるべき。

福永戦略企画部長 新しいワードや考え方を広めることも大切。SDGsやLGBT、ワーケーション、イクボスが例示される。職員に分かりやすい情報提供を意識させるガイドラインやハンドブックも作った。指摘を真摯に受け止め、分かりやすい表現に努める。
■臨時対策債増を懸念 ― 奥野 英介議員(草莽)
新型コロナウイルスの感染拡大で県税収入の減少が予想される中、来年度当初予算編成で臨時財政対策債の発行額が増えることに懸念を示した。県は「財源が不足する」と理解を求めつつ、国に地方交付税として措置するよう提言していると説明した。

【財政】
奥野議員 新型コロナウイルス感染症による県税収入などへの影響で、厳しい財政運営が継続することが予想される。国からの地方交付税が減額され、代わりに国の臨時財政対策債が導入されることになる。

紀平総務部長 臨時財政対策債の発行額が増えることが懸念される。県の借金に相違ないが、発行しなければ財源が不足し、行政サービスが停滞する。国には臨時財政対策債の縮減を図り、交付税として措置するように強く要望している。

【RDF】
奥野議員 三重ごみ固形燃料(RDF)焼却・発電事業に参加していた市町は新たなごみ処理体制を構築するという大変厳しい作業に挑まなければならない。県は市町が新たにごみ処理体制をつくるまで支援すべきと思うが、現状は。

安井廃棄物対策局長 RDFの搬入停止後も市町でごみが滞りなく処理できるよう支援している。RDFの製造を継続している市町には、これまでの処理委託料の超過分を補填するセーフティーネットの仕組みを設けた。昨年度は約150万円を補填し、本年度は約900万円を見込む。
■四日市公害への思いは ― 山本 里香議員(共産党)
県の脱炭素宣言に「四日市公害の経験」を盛り込んだ知事の思いを尋ねた。鈴木知事は、住民、行政、企業が一体となって四日市公害の解決に取り組んだ経験を、気候変動の解決に向けた取り組みに生かす必要性を強調した。

【脱炭素社会】
山本議員 県は昨年12月に脱炭素社会の実現を目指す宣言「ミッションゼロ2050みえ」を発表し、地球温暖化対策総合計画の策定に向けた作業を進めている。この宣言は四日市公害に言及しているが、知事の思いは。

知事 住民、行政、企業が一体で進めた四日市公害への取り組みが日本の公害問題解決への道を開き、産業の発展と環境保全を両立させた。これらの貴重な経験を気候変動の問題に生かすことが重要。公害を経験した三重だからこそ脱炭素化に貢献したい。

【差別解消】
山本議員 県が「差別をなくす強調月間」に出した新聞広告は「そっとしておけば部落差別は自然になくなると思っていませんか」がメインだったが、新型コロナの感染者や医療従事者に対する差別の問題を取り上げるべきでは。

岡村環境生活部長 平成28年12月に施行された部落差別解消推進法の周知が進まず、施行から5年の節目でもあるため、同和問題を学ぶ必要性や差別解消推進三法を啓発した。新型コロナに係る差別は既に県政だよりの11月号で特集を組んでいる。
■地域支援拠点整備を ― 山内 道明議員(公明党)
障害者の高齢化や介護を担う親の亡き後を据えて地域で支える仕組みを構築する「地域生活支援拠点」の整備を求めた。県は2カ所にとどまっている拠点を年度内に新たに9市5町の14カ所に整備すると説明した。

【地域生活支援拠点】
山内議員 地域生活支援拠点は県内では2カ所の整備にとどまっている。緊急時に受け入れる短期入所事業所は今後ますます需要が増す。整備の見通しは。

大橋子ども・福祉部長 地域生活支援拠点は本年度中に9市5町で整備する予定。緊急時に障害者の受け入れや対応を行う短期入所事業所は11月時点で103カ所ある。地域偏在があるため、地域の整備状況に配慮しながら拡充に向けて取り組む。

【障害者雇用】
山内議員 3月に県教委の障がい者活躍推進計画が策定され、本年度から運用が始まった。障害の有無に関わらず働き続けられるよう環境整備を進めることなどが記載されている。学校現場のサポート体制の整備など取り組み状況は。

木平教育長 障害のある職員が担当する業務や他の職員との連携のため身近な職員をサポーターに位置付け、困ったときに相談できるようにしている。学校だけでは難しい相談に対応するため、本年度から新たに専門的な知識を持つ職員を「障がい者雇用トータルサポーター」として県教委事務局に配置している。
<記者席>議場に漂う静けさ
○…島上雇用経済部長が新型コロナウイルスに感染したことが判明した中で迎えた県議会の一般質問。執行部席の県幹部らは深刻な表情を浮かべ、議場には静けさが漂った。

○…いつもは冗談を盛り込む県議も、この日ばかりは「真面目」で一貫。感染者に配慮したか、それとも身近な感染があることの恐怖からか。いずれにせよ、皆が部長の回復を願うことには違いない。

○…野口議員は獣害被害の現場視察で遭遇した野生の猿の写真を披露し、「これは私ではありません」とひと言。

○…「私もはぐれ猿かもしれない」と自問しつつ、「そういう言い方をすると、問題を起こすのかなと言われる」と気を引き締めた。