神村伊賀、“最幸”の舞台へ 1月3日の全日本高校女子サッカー

【全日本高校女子選手権東海地区予選で得点を決め、喜び合う神村学園伊賀の選手ら=11月、静岡県内で】

いざ“最幸”(さいこう)の舞台へ―。来年1月3日、兵庫県で開幕する第29回全日本高校女子サッカー選手権大会に神村学園高等部伊賀が初出場する。2度の優勝経験を持つ神村学園(鹿児島)の高等部通信制課程の分校として2017年、伊賀市北山に開校。翌年春に発足した女子サッカー部1期生の3年生が同じチームで出場する最初で最後の全国大会。29大会連続出場の東北女王、聖和学園(宮城)に挑む1回戦で持てる力をすべて出し切る。

東海地区予選は11月、静岡県内であり神村学園伊賀は県1位校として出場した。準決勝で静岡2位の常葉橘に敗れたが3位決定戦で岐阜1位の帝京大可児を下し、東海地区予選1位の常葉橘、2位の藤枝順心(静岡)に続く東海地区3位で全国大会出場を果たした。

今年1月開催の全日本高校女子選手権は藤枝順心が制した。ハイレベルな東海地区予選への挑戦は2年連続2度目。昨年1―2で敗れた3位決定戦で、今年は延長戦の末1―0で勝利。前掛かりで攻めた延長前半、ゴール前のこぼれ球に反応した3年生FW田中七海稀が決勝点を挙げた。

女子サッカー部の始動は18年4月。監督を神村学園中等部女子サッカー部の立ち上げから関わり、中・高等部サッカー部監督を歴任した吉永輝彦副校長が務める。1期生の8人中、田中ら6人は吉永監督を慕って鹿児島から入学した。

下級生が入るまで8人だけで活動する中、19年は1月開幕の県高校新人大会から県下高校生レベルの大会はすべて制覇。特に、当時故障中だった田中をGKに置きながら初の県内タイトルを獲得した新人大会の活躍は在京メディアでも取り上げられた。

今年は試練の連続。新型コロナウイルスの感染拡大で目標としてきた大会は軒並み中止に。実績の少ない同校は積極的に県外に遠征して他校の胸を借りてきたがコロナ禍で練習試合数は例年の半分程度にとどまった。8月から9月にかけて実施した皇后杯県予選では同じ高校生チームの高田高校に1―3で敗れる苦杯もなめた。

全日本高校選手権に向けてはチーム内の連携を再度確認した。11月の県予選決勝は2―0で高田を下して2連覇。東海地区予選準決勝で敗れた後も選手間で話し合って修整した。3位決定戦でチームを全国に導く決勝ゴールを決めた田中は「準決勝は自分が決めきれず試合後泣いてしまった。(3位決定戦の前は)皆と今日は勝ってうれし涙を流そうと話し合いました」と振り返る。

女子サッカー部の部員数は3学年22人に増えたが3年生8人の存在感は別格。「チームを作ったとき“最幸”の景色を見たいと言った選手たちの最後の大会。全国でしか見られない景色を楽しんでほしい」と語る吉永監督も「(全国も)3年生中心の編成になると思います」と明言。田中は「神村らしく泥臭いプレーで、最後まで走り負けないサッカーを」と意気込んでいる。