アシカショーで新人デビュー 久保さん盛り上げ 伊勢シーパラダイス

【カリフォルニアアシカのカンタとショーに出演した久保さん=伊勢市二見町江の伊勢シーパラダイスで】

【伊勢】三重県伊勢市二見町江の水族館「伊勢シーパラダイス」で27日、新人飼育員の久保流歌さん(22)=奈良県出身=がカリフォルニアアシカのカンタ(雄)とコンビを組み、ショーデビューした。「水族館の飼育員になりたい」という子どもの頃からの夢をかなえた久保さん。「来てもらった人に動物の魅力を伝え、興味を持ってもらいたい」と意気込んでいる。

小さい頃から動物が好きで、高校の進路選択では飼育員を目指して専門学校に進もうと思っていたが、母親の千世子さん(48)や担任教師に「性格が向いていない」と反対され、得意な英語を生かして天理大学国際学部に進学した。

英会話講師の内定をもらった大学最後の夏休み、ダイビングに出掛けたグアムの海でイルカやウミガメが間近で泳ぐ姿を見て、「やっぱり動物に携わる仕事がしたい」と再び飼育員を目指すことに。千世子さんに相談して内定を辞退し、就職活動を始めた。

大学時代に友達と訪れた同館が飼育スタッフを募集していると知り、すぐに履歴書を送ると昨年12月に就職実習が同館で行われ、餌の準備や館内の掃除などを体験。年明けに採用の連絡があり、4月から念願の飼育員の仲間入りをした。

広報担当の岩山慎さんによると、一般的に飼育員への道のりは専門学校や大学に進学し、専門知識を学んでから就職を目指す人が多く、久保さんのように直接、現場に飛び込む人は珍しいという。

現在は、掃除や餌の準備などのほかショーの練習に励む毎日。雌のアシカや先輩飼育員と一緒にステージに立った経験はあるが、1人で体重200キロのカンタを誘導し、観客とコミュニケーションを取るショーはこの日が初めて。久保さんとカンタが登場すると約130人の観客が拍手で迎え、「あっかんべー」などの顔芸や観客が参加する輪投げで会場を盛り上げた。

千世子さんもこの日、同館を訪れてデビューを見守り、「すごく良かった、ありがとう。初心を忘れず、これまで通り笑顔で頑張って」とエールを送った。久保さんは「ショーを失敗する夢を見たので緊張して気が重かったが、先輩や仲間に助けてもらいながら無事にショーをやりきれてほっとした」と笑顔で話した。

久保さんらが出演するアシカショーは、毎日午前11時半と午後2時半の計2回、行われている。